市場規模が2兆円に達するとも言われているダイエット産業。中心となっているのは痩身医療やサプリメントですが、健康器具や食品を使った家庭でできるダイエット法に対する世間の関心も高く、色々なメソッド・関連商品がブームになっては消え、を繰り返しています。

ブームが終わる理由として「そもそも科学的根拠に乏しく、気休めレベルのものだった」というものも中にはありますが、総じて「飽きて投げ出す、続けなくなる」か「誘惑に負ける、太る原因を断ち切れない」人が続出する、といった理由に集約されるようです。

なぜ、人は目新しいダイエット法に次々手を出しては投げるのか。
なぜ、人は誘惑を断ち切り、カロリー過多から抜け出せないのか。

そのメカニズムと対策法を、習慣化コンサルタント・古川武士氏の著書を引き合いにしつつ紐解いてみましょう。

まずは前提となる「ダイエットの原則」について

言うまでもないことですが、やせるためには「摂取カロリー量<消費カロリー量」という条件を満たす必要があります。アプローチとしては

  • 消費カロリー量をアップさせる
  • 摂取カロリー量を減らす

の2つが挙げられ、前者は「運動を習慣的に続ける」、後者なら「食べ過ぎ・飲みすぎの悪習慣をやめる」となり、これさえできればやせることができます。

なぜ、ダイエットは続かず、太る原因はやめられないのか

『「続ける」習慣』p.33、『「やめる」習慣』p.27 (ともに古川武士著)より ※クリック/タップで拡大

当サイトに掲載されている「ダイエットはなぜ続けられないのか?「続ける」習慣がうまくいかないワケ」を読んだかたはご存じかと思いますが、「ある行動を習慣化させようとするとき最初の7日間で4割が挫折する」というデータがあります。これは、人の心理に「変化に抵抗し、いつもどおりを維持しようとする」働きがあるためで、古川氏はこの働きを「習慣引力」と名付けています。

一度身についた悪癖がなかなかやめられないのも、同じ働きによります。習慣として根付いたものは脳に「いつもどおりのもの」として認識されるため、それをやめる=変化させることに対する抵抗が生まれるのです。

ではこの習慣引力をどう克服していけばいいのか、具体的に見ていきましょう。