ステップ2 スイッチング行動を考える

次に、ステップ1で考えたメリットを満たす代替手段を考えます。たとえば「口さびしさが紛れるのでタバコを吸ってるけど、やめたい」という人であれば、「ガムや飴、タブレット菓子を口に入れとく」のような手段が考えられますし、「コーラの爽快感が大好き。でも太るのでやめたい」というのであれば味無しの炭酸水に切り替える、といった方法が考えられるでしょう。

ステップ3 スイッチング行動を試す

あとは試すだけですが、実際やってみると「なんか違う」「コレジャナイ感が半端ない」と釈然としないこともあるでしょう。元々の行動で感じていた心理メリットを代替行動に置き換えることがそもそもの目的なので、感情が納得できないようでは意味がありません。下記のアドバイスを参考に、いろいろ試してみてください。

スイッチング行動が自分に合ったものかどうかは、「感情」で判断してください。いくら理屈で納得しても、欲求が満たされていなければ意味がありません。

また、1つではなく、いくつか組み合わせてみるのもお勧めです。上手にスイッチングができれば、欲望との戦いで感じる苦痛は大幅に減るでしょう。多少お金がかかるものもあるかもしれませんが、やめたときのメリットを考えれば投資とも考えられます。

ちなみにスイッチング行動は習慣にする必要はありません。ここは苦痛回避できることであればどんどん試して、うまくいくものがあったら自然とやり続けることでしょう。

(『「やめる」習慣』p74より)

どこまで徹底してやめるのか、レベルを決めるのはあなた

ここまで「続ける」「やめる」それぞれのアプローチを紹介してきましたが、最後に「やめる」アプローチについて少しだけ補足します。

一口にやめるといっても「完全に断ち切る」「ほどほどに抑えるレベルに留める」と段階はさまざまです。たとえばやめるアプローチの説明で軽くふれた糖質制限ダイエットも、完全に断つ勢いの人もいれば、健康上のリスクを考慮に入れ、ほどほどに抑えるレベルに留める人もいます。

タバコのように、依存性の高いものはやめるなら完全にやめる勢いで臨まないとあまり意味はありませんが、やめることでかえってストレスをため込むようでは逆効果です。これはダイエットに限らず、お酒でも衝動買いでも同じでしょう。

消費カロリー量アップのための運動や筋トレがオーバーワークにならないように負荷を調節するのと同様に、自分が我慢できるギリギリのラインを狙ってダイエットに励むのが、身心にとって一番いい結果になるのではないでしょうか。