『マンガでわかる「続ける」習慣』(古川武士著/みつく作画)
『マンガでわかる「続ける」習慣』(古川武士著/みつく作画)

朝オフィスに行く前に、勉強するためカフェに入店。さあ勉強開始、と、その前に念のためSNSをチェックしておこう……とスマホを手にしたりしませんか? そして、「念のため」のつもりが、ニュースサイトに気になる記事を見つけて読みはじめたりして、気がついたら30分もたっていて結局勉強できなかった、ということは? また、会社帰りの電車の中で「読書をする」と決めたのに、つい、先にスマホチェックをはじめて、いつのまにか降車駅に着いてしまった、というのもよくあることではないでしょうか。

スマホは、手にしたら最後、チェックしたくなるいろいろな情報が芋づる式に出てきて、一気に時間を奪われてしまう「タイム・ヴァンパイア」です。

スマホの誘惑に勝つには、スマホを後回しにするしかありません。つまり、勉強のために確保した時間は、冒頭から勉強をはじめる。読書をする、と決めて電車に乗ったら、まず本を手に取る。スマホはカバンの奥にしまっておいて、やりたいことが終わったらチェックすればいいのです。

「スマホをチェックしてからやろう」を自分自身で禁句にして、ルール化しましょう。

スキマ時間には音声学習が有効

勉強や読書時間の確保ということでいえば、スキマ時間を有効に活用することも大事です。たとえば、自宅やオフィスと最寄駅の間を歩く往復時間を合計しただけでも、30分程度にはなるでしょう。その間を、音声を聞いて勉強や読書をする時間にあてるだけでも、結構な自己投資になります。

私も、移動中やジョギング中はiPodのような機能が限定された機器を使ってオーディオブックを聴いています。あえてスマホは使いません。いろいろな機能に誘惑されてしまうからです。

ただし、音声を聞いて学習するときは、集中力が通常の学習時よりも落ちるので注意しましょう。ゼロから手をつけて1回勝負、という勉強よりも、何度も繰り返し聞くことができて、頭にインストールしたいもの、私もよく聞く中国古典のようなものが向いていると思います。

スキマ時間は、スーパーでのレジ待ちの間や、待ち合わせで相手を待つ時間など、日常の中で意外に多いはずです。何もしないで待つよりは時間も短く感じられて、一石二鳥です。

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成長したい、学びたいという欲求が強く、その欲求を満たしたいけれど時間がないというフラストレーションを抱える人は、「朝、場所を変えて、その時間の始まりから」勉強してみてください。そこにスキマ時間をプラスすれば、想像以上にたくさんの時間を確保できますよ。


プロフィール

古川武士(ふるかわ たけし)

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習慣化コンサルティング株式会社、代表取締役。関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。3万人のビジネスパーソンの育成と500名の個人コンサルティングの現場から「習慣化」が最も重要なテーマと考え、日本で唯一の習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。オリジナルの習慣化理論・技術を元に、個人向け習慣化専門学校、講座、企業への行動変容・習慣化の指導を行っている。

主な著書に、『30日で人生を変える「続ける」習慣』『新しい自分に生まれ変わる「やめる」習慣』『マンガでわかる 「続ける」習慣』『マンガでわかる「やめる」習慣』(以上、日本実業出版社)、『「早起き」の技術』(大和書房)などがあり、中国・韓国・台湾でも広く翻訳されている。