習慣化コンサルタントの古川武士さんによる連載「デキる! といわれるシゴト習慣術」も、いよいよ最終回。「勉強したい、でも時間がない!」とストレスを抱えるビジネスパーソンに向けて、時間のつくり方を伝授します。

最終回 資格、英語etc.「勉強習慣」どうしたら続けられる? 

資格を取るために勉強したい、教養を身につけるために本を読む時間をつくりたいと思っていても、仕事もプライベートも忙しいビジネスパーソンはなかなかそうもいかず、ストレスをため込むばかり。連載の最終回は、「成長したい!」と強く願う皆さんに向けて、自己投資のための時間のつくり方と継続の仕方をお伝えしようと思います。

仕事の後の勉強は続かない

一日のなかには、緊急性が高くその日のうちに片づけたいことや、着手しておかないと不安を感じてしまうことがたくさんあります。当然それらを優先しますが、緊急性が低かったり、できなくてもさほどの痛みを感じないものは、全部後回しになってしまいます。将来の自分のために投資する時間、勉強する時間は、後回しになる代表です。

多くの人は、一日の仕事を終えたあとに勉強の時間をつくろうとします。しかし、夜は予定が流動的でいろいろなものに邪魔されるし、飲み会など楽しそうな誘惑も多い時間です。また、そもそも脳は、一日働いたことによる疲れで疲労困憊の状態です。気持ちを勉強に向けるだけでも簡単ではありません。

夜に勉強しようとしても、大抵の場合は続きません。勉強は、朝やることを強くおすすめします。

この連載の第2回で、朝に仕事をやることのメリットについて書きましたが、朝は勉強にも最適です。脳がフレッシュな状態で集中しやすく、学習効果が大きいからです。私の実感でいえば、朝の30分は夜の2時間に相当します。

私が「勉強が続かない」という人に一番強くおすすめするのは、まず「夜やる」という選択肢を捨てることです。

場所を変えればスイッチも変わる

「朝、自宅で勉強しようとしてもダラダラしてしまってどうしても進まない」という人もいます。その場合は、思い切って勉強する「場所」を変えましょう。

心理学で「アンカリング」といいますが、人の気持ちの状態は、自分がいる「場所」とひも付けられています。自宅という場所は、多くの場合「リラックス」という気持ちにひも付けられるものなので、勉強する気分にならないのも仕方がないことなのです。

自宅で集中できない人は、カフェでも図書館でもどこでもいいので、とりあえず出かけてみましょう。場所を変えることで、気持ちのモードはびっくりするほど切り替わります。私のクライアントさんには、朝早く会社に行って、会議室で勉強するという人もいました。いろいろ試してみて、「集中スイッチ」が入る場所を自分なりに見つけましょう。

「タイム・ヴァンパイア」はカバンの奥に

「朝早起きしてカフェで勉強する」と決めた、それでもなかなかはかどらない……。そんな人には「タイム・ヴァンパイア」が取りついているのかもしれません。まるで吸血鬼のように時間を吸い取ってしまうその最たるものは、やはりスマホでしょう。