「いまやっておいた方が絶対良いとわかっているのに、面倒な仕事はついつい先延ばしにしてしまう。だからダメなんだよな……」と、お悩みのあなた。同じような悩みは、意外と多くの人が抱えているようですよ。古川さんに「先延ばしグセ」の解消法を教えてもらいましょう。

連載(全6回予定)「デキる! といわれるシゴト習慣術」は、“習慣化コンサルタント”の古川武士さんによる、よい習慣を身につけたいビジネスパーソンのためのコラムです。

第4回 やめたい習慣第1位「先延ばしグセ」を直す方法

私は以前、メルマガの読者100人に「あなたには、やめたい、直したいと思っている習慣はありますか? それはどのような習慣でしょうか?」というアンケートを取ったことがあります。拙著『新しい自分に生まれ変わる やめる習慣』の冒頭でも触れていますが、そのアンケートでわかった「やめたい習慣ランキング」をあらためて紹介させてください。

みんなの「やめたい習慣ランキング」(100人が回答・複数回答可)

第1位 嫌なことを先延ばしする 51人
第2位 ネットやスマホに依存している 43人
第3位 つい食べ過ぎてしまう 24人
第4位 夜更かしで寝不足になる 16人
第5位 ムダ遣いをしてしまう 14人

多くの人が、面倒なことや辛いこと、初めてのことなどを、気の重さからついつい先延ばし、後回しにしてしまうという悩みを持っているようです。

ということで今回は、堂々の「やめたいランキング」第1位、「先延ばしグセ」を取り上げます。

なぜ、先延ばしにしてしまうのか?

多くの人がやめたいと思っている先延ばしグセ。みなさんにも、先延ばしにしてため込んでいる仕事が多かれ少なかれあるのではないでしょうか。

なぜ、私たちは先延ばしにしてしまうのでしょう。

それは、その仕事に着手することが苦痛だからです。苦痛を感じる理由は、その仕事が複雑で面倒に思えたり、不確実なことが多くて不安だったり、そもそも苦手な種類だったりと様々。また、重要性はわかっているものの緊急性が低いもの、たとえばたまってしまった交通費精算なども先延ばしにしがちですね。

要するに、先延ばしにしてしまうのは、その仕事に着手することを「気が重い」と感じて、感情的なブレーキをかけてしまっているからなのです。

「自分にもあてはまるな」と感じた人は、以下にあげる対策を試してみてください。キーワードは「チャンクダウン」「ベビーステップ」です。

みんなが先延ばしにした「夏休みの宿題」

「チャンクダウン」という言葉を初めて聞く人も多いと思います。話をわかりやすくするために、「夏休みの宿題」を例にとって説明しましょう。これは私が主催する「行動する習慣セミナー」でも行っている方法です。

ちなみにセミナーでアンケートを取ると、小学生のころ夏休みの宿題を早めに片づけていた、という人は全体の10%未満です。大半の人は前半遊んで後半がんばる派。それでギリギリ間に合わせていた、という人もいれば、おじいちゃん、おばあちゃんまで家族総出で、怒られながらやっつけていた、という人もいました。

「夏休みの宿題の先延ばし」というのは、大半の大人の共通体験なんですね。