残業、夜更かし、寝不足、ギリギリ出社……。こんな毎日のサイクルから抜け出して趣味や自己啓発の時間を持ちたいけど、仕事が多くてどうにもならない! 古川さん、何か方法はありませんか?

 連載(全6回予定)「デキる! といわれるシゴト習慣術」は、“習慣化コンサルタント”の古川武士さんによる、よい習慣を身につけたいビジネスパーソンのためのコラムです。
(【連載第1回】「なぜ私は「習慣化コンサルタント」になったのか」はこちら)

 第2回「早起き習慣のために絶対守るべきこと」 

「早起きの習慣を身につけたいのですが、どうしたらいいですか?」という質問をよく受けます。多くは残業続きで睡眠不足気味、自分の時間も持てないビジネスパーソンで、「早起き」になんらかのメリットがあるとわかってはいるけれど、どうしても退社時間が遅かったり、就寝時間が遅くなったりして実現できない、とお悩みのようです。

私のコンサルティング経験から言うと、早起きに挫折するほとんどの人は、「起きる時間」のみにこだわりすぎています。

起きる時間だけを考えてもムダ

起きる時間は、生活全体のシステムにかかわっています。それを変えるということは、生活習慣そのものを変えることに他なりません。生活習慣は、その人の仕事のやり方とか人との付き合い方、関心や趣味の持ち方など、すべて一連のメカニズムで成り立っているので、一部分だけ取り上げて変えようとしても上手くいかないのです。

典型的な挫折のパターンは、無理をして早起きをする→睡眠不足に陥いる→カゼを引くなどして体調を崩す。あるいは飲み会が続いた時に寝る時間が遅くなり、起きるのも遅くなる。ここから戻せばいいのですが、なかなか戻せない。早起きをしはじめると、しばらくは達成感があってがんばれますが、いったん挫折するとモチベーションが維持できず、そのままになってしまうのです。

早起き習慣を身につけるには、まず早く寝て睡眠時間を確保することが前提です。起きる時間だけを変えて結果的に4時間睡眠が3日続くなどということになれば、脳は完全シャットダウン、そしてギブアップ。これは人間にとってごく自然な反応です。

では、いつも22時、23時まで残業する多忙なビジネスパーソンが、十分な睡眠時間を確保したうえで早起きできるように生活習慣を変えるには、どうしたらいいのでしょうか。

それにはやはり、仕事の効率化が欠かせません。

仕事の効率化が早起きにつながる

1日の中で節約できる時間はどのくらいあるのでしょうか。

24時間から、生活に必要な時間を引いてみます。まず、睡眠時間を引きます。この時間は十分に取ります。この時間を我慢してしまうと、前述したように頭も体も疲労し、生産性が悪くなるだけです。人にもよりますが、6時間か7時間は確保したいところです。

それから、日常の行動に最低必要な時間、食事とか入浴の時間ですが、これをたとえば3時間引く。さらに、自分が理想とする生活に欠かせないこと、例をあげれば勉強とか読書、家族との団らんなど、こうした時間を引きます。そうすると、最後に残るのが仕事の時間です。

このように考えていくと、効率化できるのは仕事の時間だけです。家族との時間を効率化するわけにはいきませんから。そして、効率化と言っても成果を下げるわけにはいかないので、仕事を高密度化して、生産性を上げることしか手はありません。

生産性をあげる、というとハードルが高く感じるかもしれませんが大丈夫です。誰にでもできる方法があります。