『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんです。

この連載では、これまでライターとして3000件以上の取材・インタビューを経験した中から導き出した、「書くことが嫌い」を「書くことが好き」へと変える、文章作成のコツを教えてもらいます。

著者プロフィール

山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所主宰。出版社で編集者・記者を務めたのちに独立。これまでライターとして3000件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「書かずにうまくなる段取り文章術」「論理的に伝わる文章の書き方」「好意と信頼を獲得するメール文章術」「すらすら書ける文章テンプレート活用法」等、その日から使える実践的ノウハウを提供。また、2016年より中国の5大都市で「SuperWriter養成講座」を定期開催中。

著書に『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(共に日本実業出版社)ほか多数。文章作成の本質をとらえたノウハウは言語の壁を超えて高く評価されており、中国、台湾、韓国など海外でも翻訳されている。

読み書き能力を高める「学習言語」の増やし方

このエントリーをはてなブックマークに追加

2022/06/08 16:05

(photo by Annika Gordon/Unsplash)

一生モノのスキルになる! 『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる方法<連載第52回>

伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に関する著書も多い山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は、文章の読み書きがスムーズになる「学習言語」について。

「生活言語」と「学習言語」の違いとは?

言葉には、大きく分けて、日常生活で使う言葉「生活言語」と、学習するときに使う言葉「学習言語」があります。

たとえば、作成、適切、比例、平均、評価、関連、展開、特色、果たす、対する、定める、値する、応ずる、基づく、およそ、さまざま――これらの言葉は、ふだんの生活で見聞きする機会はあまり多くありません。一方で、本や資料、雑誌、教科書、参考書、ニュース記事などではよく見かけます。つまりは「学習言語」です。学習言語を通して、わたしたちは知識や情報をインプットしています。

たとえば、あなたがいま読んでいるこの記事もそう。学習言語に慣れ親しんでいる人ほど、サクサクと読み進めながら、内容を理解していきます。片や、学習言語に慣れ親しんでいない人は理解に手間取るほか、なんとか読み終えたとしても、浅い理解やズレた理解で終わってしまっている恐れがあります。

「文字を読むのが苦手です」という人の中には、そもそも学習言語への接触回数が少ないという人も多いです。知っている学習言語が少なければ、当然、文章を読み書きするときに苦戦を強いられます。「読む」と「書く」、どちらにも欠かせないのが学習言語なのです。

「学習言語」の数を増やすには?

では、学習言語をより多く習得するには、どうすればいいのでしょうか? その答えは「ふだんから積極的に学習言語に接する機会を増やすこと」です。

中には、「文章ならスマホでよく読んでいるから大丈夫です!」という人もいるかもしれません。しかし、その文章は友達とやり取りしているチャットではありませんか? あるいは、友達がSNSに投稿した日記や雑記ではありませんか? もしそうだとしたら、残念ながら、学習言語の習得効果はさほど期待できません。なぜなら、それらのほとんどが生活言語で書かれたものだからです。

一方、情報を正確に伝えようと腐心して書かれた説明文や解説文、論文、リポート、記事、書籍など、情報提供型の文章の場合、そこには多くの学習言語が使われています。知らなかった学習言語を少しずつ増やしていくことによって、文章を読み解く能力はもちろん、文章を書く能力も高まっていきます(より多くの学習言語を使えるようになるため)。

ビジネスパーソンであれば、仕事で使う報告書、提案書、議事録、案内文、広報文、メール――などを書く際に、必ず学習言語が必要となります。書く段になってから「学習言語を使おう」と気合を入れたところでうまくはいきません。そもそも知らない学習言語を使うことはできませんし、「なんとなく」の感覚で使えば、不適切な使い方をしてしまうおそれもあります。

学習言語に触れる機会を増やすことによって、文章を読み解くスピードが速まり、理解の深度も増します。それは、取りも直さず、自身の情報量や知識量を増やすことでもあります。それらの情報や知識は、その先に文章を書く際の“素材”としても重宝するでしょう。学習言語を増やすことで得られるメリットは、わかりやすいものからそうでないものまで多種多様。とりわけ、文章を書く能力は確実にアップします。ふだんから能動的に学習言語に触れる意識を持ちましょう。

山口拓朗さんの新刊『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』【好評発売中】

コミュニケーションにおいて不可欠なのは「情報の理解」。ところが、その能力を学ぶ機会はあまり多くありません。本書では、「相手の言っていることを汲み取れるようになりたい」「相手が本当は何を言いたいのか真意をつかめるようになりたい」「話の要点を的確に理解したい」という悩みを持つ人向けの「伝え方」だけでない、理解力を身につけるためのノウハウをまとめました。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

1%の本質を最速でつかむ「理解力」

「なんとなく理解が浅い」「話の要点を的確につかみたい」「さっき言われたことを忘れてしまった」という悩みが一気に解決する、核心にたどりつく全技術を、プロが具体的に指南する。

著者:山口拓朗

価格:¥1,500-(税別)

オンラインストアで購入する

テキスト採用など、大量・一括購入に関するご質問・ご注文は、
弊社営業部(TEL:03-3268-5161)までお問い合わせください。

そもそも文章ってどう書けばいいんですか?

「文章を書くことがストレス」「書くのに時間がかかりすぎる」「そもそも頭のなかにあることを文章にできない」……本書はそうした「文章アレルギー」のある人たちに、マンガを織り交ぜながら、わかりやすく文章の書き方をレクチャーしていきます。

著者:山口拓朗

価格:¥1,400-(税別)

オンラインストアで購入する

テキスト採用など、大量・一括購入に関するご質問・ご注文は、
弊社営業部(TEL:03-3268-5161)までお問い合わせください。

ページのトップへ