人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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東海道を歩いてみた2019(通算22)「手越の里」

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2019/05/20 14:18

今年のゴールデンウィーク、8年振りに東海道を歩いてみた。この連載でも、日本橋から歩くたびに随時紹介していたが、平成23年5月の江尻宿と府中宿の間を最後に中断していた。8年振りに再開したので、再び東海道周辺について、あれこれ紹介してみたい。

今回の起点は、前回中断した場所と同じ、静岡市の静岡鉄道草薙駅付近。しばらくは静岡市郊外の住宅地を歩き、駿府城跡などを見ながら繁華街を抜ける。そして、安倍川をわたったところが「手越」という地名である。

安倍川
名物の安倍川餅

「手越」は有名なタレントがいるためなじみ深いが、実はかなりのレア名字で、関西や広島県などにごくわずかしかいない。ルーツははっきりしないが、この静岡市手越がルーツの可能性が高い。

というのも、中世には手越家綱という武士がおり、鎌倉幕府に仕えていた。室町時代には今川氏の家臣に手越氏がいるなど、この地には地名を由来とする手越氏がいたことがわかっているからだ。

「手越」はもともとは「てこ」だったといい、「てこ」とは女性の美称である。ここには、左渡の手児という美女がいたため村名になったと伝えている。美しい女性(てこ)の生まれた場所が「てこ」となり、やがて「てごし」となって「手越」という漢字を当てた。そして、そこに住んだ武士が地名を取って手越氏と称したものだろう。

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