市場では、要人発言や海外の動向などさまざまな要素が値動きに影響します。たとえば、「次期米財務長官「過度に強いドルは短期的にマイナス」と発言」「ダウ平均、史上初の2万ドルを突破」といったトピックが為替・株式市場にどういった影響を与えるのか、なんとなく想像できた人も多いことでしょう。

ですが、日銀が2016年9月に発表した「長短金利操作付き緩和(イールドカーブ・コントロール)の導入を決定」のような金利・債券(国債)に関するトピックに対しては「結局どういうことよ?」と頭にハテナが浮かんだ人もいたのではないでしょうか?

これは、為替や株価についてはニュースなどで日常的に報じられるものの、金利や債券市場に関するニュースがあまり報じられないという現状からすると、無理もないかもしれません。そこで「金利と債券」の基礎知識、そして「イールドカーブ」について、学んでみましょう。

そもそも「債券」とはなにか

金利やイールドカーブ・コントロールの説明に入る前に、まずは「債券」についてみてみましょう。

債券とは「行政組織や企業といった資金の借り手側(発行体)が資金を調達するとき、貸し手側に発行する有価証券」、平たくいえば「借用証書」のことを指します(なお、書き間違いでよくある「債権」は貸し手側の権利を意味する言葉なので、債券とは異なります)。債券は「発行体(債券の発行元)」「利率(クーポンレート、または単にクーポン)」「償還期限(返済期限)」の三要素で構成されています。

また、同じ有価証券である株券と債券の主な違いとしては以下のようなものがあります。

有価証券としての「債券」と「株券」の主な違い
 債券株券
発行体 国や地方自治体、企業など 企業(正確には株式会社)
値動きと
売買
利回りによって動き、債券市場で取引される 業績への期待感で動き、
株式市場で取引される
保有者の
権利
債権
(利息を受け取る権利など)
株主権(経営参画に代表される「会社の所有権」など)
発行体から
保有者に
対する義務
返済義務がある(償還期限=
返済期日が定められている)
ない

三要素のうち「発行体」について補足すると、まず、発行体が異なると債券の名称も異なります(国なら「国債」、企業なら「社債」)。

そして、債券を買うということは「お金を貸し付ける」のと同義なので、債券を買ってもらった発行体は償還期限までに返済する義務(債務)を負います。仮に、発行体が返済できなくなってしまったら「デフォルト(債務不履行)」という状態になり、債券を買った人は損を被ることになります。

ですので、買い手側からすると「この発行体は借したお金を本当に返せるのか?」という信用面が気になるところです。そこで、発行体の信用を客観的に評価するために「格付機関」と呼ばれる国内外の民間会社が活用されています。