本記事では「強要罪」に関する法的な線引きについては詳しく述べませんが、いずれも「サービスをする側と受ける側」の一線を越えたために、逮捕・起訴されたケースです。

また、上記の例ではいずれも土下座の強要が決め手となっていますが、暴力や器物損壊も同様であることはいうまでもありません。ここまできたら警察に対応を任せるのがベストです。

行なうべきことは行なう。しかし、伝え方はソフトに

ただし、「頭にきたので警察を呼びます」と一言宣言して実行に移す、というのはあまりスマートなやり方とは言えません。相手の感情や自分の怒りなどに左右されず実行に移しましょう。

ただし、話し方としてはソフトで毅然としたものにすることが大事です。

「恐れ入ります。今、○○と言うことをおっしゃいましたが、それはどういうことをおっしゃっているかはご理解いただいていますよね。それなりの責任をとっていただくことになりますから」とか、「今、何をなさったかわかっていますよね。今から警察を呼びますので」と、ソフトに毅然と対応をしてください。

仕返しを恐れてしまうと、悪循環へと進みます。毅然とした対応は、相手のためなのです。

『一番つかえるクレーム対応のやり方がわかる本』(田中義樹 著) p.113より


「悪質なクレーム」に対して使ってはいけない3フレーズと最終手段に関する解説は以上となりますが、最初に述べたとおり、大半のクレームは自社側の落ち度などによる正当なものです。

また、クレームは出発点こそマイナスの感情に端を発するものですが、うまく対応することで自社のイメージアップなどにもつなげることができます。

「顧客の怒りを解き、不満を受け止めてしっかり対応する」のがクレーム対応の最大のポイントであることは、いうまでもないでしょう。