『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんです。

この連載では、これまでライターとして数多くの取材・インタビューを経験した中から導き出した、「書くことが嫌い」を「書くことが好き」へと変える、文章作成のコツを教えてもらいます。

著者プロフィール

山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術——「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか多数。

“伝わる”ビジネス文章を書くための5つのポイント

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2023/10/04 16:59

Photo by Gerd Altmann/Pixabay

一生モノのスキルになる!
『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる方法  <連載第68回>

伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に精通する山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は「読む人の視点」について。

「わかりにくい=伝わらない」はビジネス文章の敵!

「文章がわかりにくいと言われてしまう。どうすれば改善できるのか?」――筆者は、ときどき、ビジネスパーソンからこの手の質問を受けることがあります。今回は、その質問に対する答えをお伝えします。

ビジネスの現場では、明確でわかりやすい文章が不可欠です。しかし、どうしても伝えたいことが多くなり、結果として文章が冗長になってしまうことも。そこで、わかりやすい文章の書き方のポイントを5つに絞ってお伝えします。

ポイント1:冒頭で結論を明確にする

ビジネス文章の冒頭では、伝えたいテーマや結論を簡潔に示すことが大切です。以下は、結論を明確にした一例です。

【報告書の冒頭】

「昨年度に実施したオンラインツールの導入により、営業成績が20%向上しました。本報告では、その成功要因と今後の展望について詳述します」

【提案書の冒頭】

「新しいオンラインツールの導入を通じて、販売促進チームの効率を30%向上させることが可能です。以下、具体的な導入方法と予想される効果について提案いたします」

このように、文章の冒頭で結論を明確にすることで、読む人の理解度が格段に高まります。

ポイント2:文脈を整える

文章の流れ、つまり文脈が整っていないと、読む人は迷ってしまいます。情報が「A→B→C→B→C→A」のように脈絡なく並んでいると、理解が妨げられるからです。

AならA、CならCという具合に、同一の情報をまとめる意識が肝心。「A→B→C」とスムーズな流れにすることによって、読む人のストレスが軽減されて、理解が進みやすくなります。

ポイント3:説明不足を避ける

ビジネスの現場では、専門用語や業界用語が多用されることがあります。しかし、読む側のすべてがその用語を理解しているわけではありません。とくに、読む人の知識レベルや読解レベルが低いと判断した際は、そのつど適切な説明を添えましょう。

【専門用語のみ】

「インターオペラビリティの導入を検討しています」

【専門用語+説明】

「インターオペラビリティの導入を検討しています。インターオペラビリティとは、異なるシステムやプロダクトが共に機能する能力のこと。たとえば、異なるメーカーの製品が互換性を持って連携・協働することなどがその一例です」

ポイント4:ビジュアルを工夫する

段落のない「文字がぎっちり」な文章は読みにくいもの。適切な段落分けを行うことで、情報の区切りや構造が明確になり、読む人の理解を助けることができます。

なお、情報ごと(段落ごと)の区切りを明確にしたいときは、適切な接続詞を使ったり、段落の前後に空白の行(スペース)を用いたりする方法もおすすめです。

また、漢字とひらがなのバランスも文章の読みやすさに影響します。理想のバランスは、「漢字が3割、ひらがなが7割」と言われています。このバランスを意識することで、読む人に負担がかかりにくくなります。

なお、オンライン上で文章を書く際は、文字そのものにも工夫を凝らしましょう。文字(フォント)の選択はもちろん、文字の色や配置、全体のバランスなど、さまざまな要素が読みやすさに影響を与えます。必要に応じて、太字(ボールド)やイタリック、下線、網掛け(マーカー)、囲み線などの使用も検討しましょう。

ポイント5:不要な情報は省く

情報過多は、読む人にとってノイズになります。伝えたいことを明確にするためにも、不要な情報は省きましょう。不要な情報とは、ビジネス文章においては「読む人にとって価値の低い情報」のことを指します。不要な情報を見極めるためにも、あらかじめ読む人のニーズを把握しておきましょう。

*     *     *

ビジネスシーンで文章を書く際は、お伝えした1〜5のポイントを踏まえたうえで、さらに「読む人の立場に立った考え方」を大切にしましょう。

相手は何を知りたいのか、どんな情報を求めているのか、どの順番で情報を得たいのか、どのような文体が読みやすいのか、どのような言葉が理解しやすいのか――これらを常に「読む人の視点」で考慮することで、わかりやすい文章を書く確率が向上します。


山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書は『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術——「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか多数。

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