『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんです。

この連載では、これまでライターとして3000件以上の取材・インタビューを経験した中から導き出した、「書くことが嫌い」を「書くことが好き」へと変える、文章作成のコツを教えてもらいます。

著者プロフィール

山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所主宰。出版社で編集者・記者を務めたのちに独立。これまでライターとして3000件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「書かずにうまくなる段取り文章術」「論理的に伝わる文章の書き方」「好意と信頼を獲得するメール文章術」「すらすら書ける文章テンプレート活用法」等、その日から使える実践的ノウハウを提供。また、2016年より中国の5大都市で「SuperWriter養成講座」を定期開催中。

著書に『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(共に日本実業出版社)ほか多数。文章作成の本質をとらえたノウハウは言語の壁を超えて高く評価されており、中国、台湾、韓国など海外でも翻訳されている。

印象がよくなる「体温のある言葉」の添え方

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2023/06/02 12:21

一生モノのスキルになる!
『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる方法  <連載第64回>

伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に精通する山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は「気の利いた一言」について。

ビジネスライクな冷たい文章を書いていませんか?

メールやチャットを使ってやりとりする際、ビジネスライクな書き方しかできない人は注意が必要です。その場の仕事は捗るかもしれませんが、相手と心の距離を近づけることはできません。

デキるビジネスパーソンほど、文面がビジネスライクになりすぎないよう注意を払っています。温度のない(低い)言葉のやりとりだけでは、相手との信頼関係を深めていけないことを知っているからです。

彼ら彼女らが凝らしている工夫——それは、場面に応じて、相手の気分が上がる「体温のある言葉」を添える、というものです。

「体温のある言葉」のバリエーションを増やしておこう

【原文】
打ち合わせの件、23日(木)の13時〜14時で承知しました。
どうぞよろしくお願いいたします。

この文章は、初対面を控えた相手とのやりとりです。「打ち合わせの日時」という情報は伝わっていますが、書き手の体温は伝わっていません。

【修正文】
打ち合わせの件、23日(木)の13時〜14時で承知しました。
お目にかかれることを楽しみにしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

「お目にかかれることを楽しみにしております」とひと言添えるだけで、書き手の体温が伝わり、相手に好印象を持たれやすくなります。「会うのが楽しみ」と言われて気を悪くする人はいません。「お目にかかれることを楽しみにしております」以外にも、「お話できることを楽しみにしております」「お会いできることを心待ちにしております」など、いくつかのフレーズを持っておくといいでしょう。

以下、シーン別に使える「体温のある言葉」です。

【初対面前のメールに使える「体温のある言葉」】
・◯◯様のお名前(ご活躍)は、かねてからうかがっております。
・◯◯様のお噂はかねがね聞いておりました。
・かねてからご挨拶したく機会をうかがっておりました。
・一度お目にかかりたく思っておりました。

【初対面後のメールに使える「体温のある言葉」】
・本日はお会い(ご一緒)できて光栄でした。
・本日はお目にかかることができて嬉しかったです。
・本日はざっくばらんにお話できて楽しかったです。
・本日は貴重な時間(機会/ご縁)をいただき、ありがとうございました。
・またお目にかかりたく存じます。
・またお会いできる機会を楽しみにしております。
・◯◯様とのご縁を大切にさせていただきます。
・これから仕事でご一緒できることに興奮しております。

【ふだんのメールに使える「体温のある言葉」】
・いつも◯◯のためにご尽力いただき、ありがとうございます。
・いつも◯◯のためにお力添えいただき、ありがとうございます。
・いつも◯◯のためにお骨折りいただき、ありがとうございます。
・いつも無理をきいていただき、感謝しております。
・いつも親身になって対応いただき、感謝しております。

TPOをわきまえながら「体温のある言葉」を使おう

もっともTPOの見極めは大切です。スピーディにやりとりしているときに「体温のある言葉」を混ぜてしまうと、それがノイズとなり、相手に負担をかけてしまうようなこともあります。

テンポのいいやりとりが求められるチャットなどでは、そのつど「体温のある言葉」を入れるのではなく、“ここぞ”という場面で入れるようにしましょう。ある程度、重要なやりとりが終わったところで「小林さんの質の高い仕事ぶりに助けられています」「小林さんのサポートがあれば百人力です」と添える、といった具合です。

仕事において「人とつながる大切さ」を理解している人ほど、TPOをわきまえながら、相手の気分が上がる「体温ある言葉」を添えています。相手にいい印象を持ってもらえるほど仕事がしやすくなり、結果、成果を出しやすくなります。どんな言葉を使えば相手の気分が上がるか、文面の印象がよくなるか。ふだんから考えるクセをつけましょう。


山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書は『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術——「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか多数。

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