人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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「乃木」のルーツ松江市

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2026/10/27 10:52

松江の町は「VIVANT」推しだ。街の中心部、松江城の松平直政の銅像の前には、「VIVANT×SHIMANE」と書かれた巨大な看板が建てられており、お土産屋には「VIVANT 出雲しめなわパウム」「VIVANT 乃木家のクッキー」といったお菓子がうず高く積まれ、売れ行きも好調のようだ。

堺雅人演じる「VIVANT」の主人公乃木憂助の故郷は島根県という設定である。ロケは奥出雲町の櫻井家住宅で行われているが、実際に「乃木」という名字のルーツは島根県にある。JR山陰線で松江駅から出雲市方面に向かうと、最初の駅が乃木駅である。中世、宍道湖に注ぐ忌部川の河口近くを乃木保といった。現在の松江市浜乃木地区・乃木福富町のあたりである。

源平合戦で活躍した佐々木高綱は出雲国を賜り、その子光綱は「出雲国野木」に住んで野木氏を称した。この野木氏の子孫が、地名本来の書き方である「乃木」に戻したのが「乃木」という名字のルーツだ。

「野木」地名は栃木県野木町などほかにもあることから、「野木」は名字ランキングで3000位以内というメジャーな名字であるのに対し、「乃木」は島根県を中心に中国地方に点在するかなり珍しい名字となっている。

 

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