人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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横路の読み方

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2019/08/26 09:18

先日、「横路」という名字の謂れを調べた冊子を目にする機会があった。その冊子によると、北海道の政治家、横路節雄・孝弘父子が有名なため「横路」は「よこみち」と読まれることが多いが、本来は広島の出で「よころ」であるという。そこで、「横路」という名字について少し調べてみた。

「横路」という名字は、大きく3か所にわかれている。最も多いのが広島・岡山両県で、とくに集中しているところはなく、「よころ」と読むことが多い。次いで、鹿児島県薩摩川内市の甑島と、島根県の奥出雲地区に集中しており、この2か所はともに「よこじ」である。

これ以外では山口県にもあり、ここでは「よこじ」と「よころ」に分かれている。「よこみち」と読むのは、横路父子の出身地である北海道以外ではほとんどみられない。北海道の名字のほとんどは道外をルーツとしていることから、確かに「横路」を「よこみち」と読むのは北海道で変化したと考えられる。

地名を調べてみると、「横路」という地名は関西と中国地方を中心にいくつかあり、とくに岡山や広島には「よころ」と読む地名が点々とみられる。おそらく、山陽地方の「横路」は地名に由来するものだろう。

「よこみち」とはメイン以外の道を指す言葉だ。漢字で書くと「横道」と書くことが多いが、「横路」と書くことも多い。そのため「横路」という名字はルーツの地を離れた北海道では「よこみち」と読まれ、定着したものだろう。

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