人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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八村の由来

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2019/06/24 10:33

(画像は公式Twitterよりキャプチャ)

日本人として初めて、ゴンザガ大の八村塁選手がNBAのワシントン・ウィザーズからドラフト1巡目で指名された。

八村という名字は珍しい。名字ランキングでは13000位台で、おそらく全国に100世帯強くらいだろう。分布をみると東北以外に広く分布しており、とくに集中している地域はない。ということは、特定のルーツを持つわけではなく、各地で生まれた名字ということになる。

地名を調べてみると、愛知県岡崎市にかつて八村という村があった。この村は当初8戸で分村したことから、「八村」という地名になったといい、由来としてはわかりやすい。

さて、八村という名字が比較的多いのは、富山県、香川県、徳島県、岡山県、福岡県など。八村選手は富山県出身で、富山県では魚津市にかつて鉢村という地名があった(現在は魚津市鉢)。漢字が変化することは珍しくはなく、富山の「八村」はこの地名が関係する可能性が高い。

徳島県でも那賀町に鉢村という地名があり、現在は那賀町鉢となっている。近くに鉢ノ山という山があることから、山から村名がついたとみられる。慶長年間、鳴門に八村善兵衛という人物がおり、徳島には古くから八村という名字があったことがわかる。

岡山県でも玉野市八浜町に波知という地名があり、古くは波知村(はちむら)だった。八浜もかっては波智浜とかかれていたこともあり、この波知村から「八村」という名字が生まれたとして不思議ではない。実際、岡山県の八村は玉野市に多い。

こうしてみると、「八村」のルーツは各地にあり、その由来も様々ということになる。

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