試験合格、新規事業の立ち上げ、新たな商品開発など、目標を掲げて達成している人がいる。しかしその一方で、大小さまざまな目標を達成できず、挫折することを繰り返している人も多い。

人事コンサルタントとして1万4000人を超える人の目標設定と、その達成に関わってきた佐藤耕一氏によると、そもそも一部の「天才型」と、それ以外の「普通の人」とでは、目標に取り組む際の考え方や、達成する方法が違うのだとか。佐藤氏の著書『あらゆる目標を達成するすごいシート』より、今まで挫折していた人も続けられる、目標達成のコツをみてみよう。

 目標を立てても達成できない……それはなぜ?

佐藤氏によると、一般のビジネスパーソンの中で、きちんと目標を設定して行動を変えられる人は100人に3人いるかいないか。なぜなら、「目標を設定し、行動を変え、達成する」という王道のプロセスをすんなりと辿ることができるのは、極端に言えば「天才型」の人達や一部の大きな目的意識をもった「天才型予備軍」といった人達だけだから。そうではない「普通の人」にとって、現在のラクな状態や行動を目標のために変えることは容易ではなく、結果として目標に到達することなく挫折してしまうのだ。

p31すごいシート
普通の人にとって、達成意欲を保ち続けることは難しい(本書31ページより)

たとえば、プロスポーツのトップに位置している野球のイチロー選手やサッカーの本田圭祐選手は、小学校の卒業文集でそれぞれトップや世界一になると書いており、子どもの頃から強い目的意識や大きな目標を持ち、たゆまぬ努力を続けてきたことがわかる。しかし彼らのように目標に向かってひたすら行動できるのは、ある意味「努力の天才」なのだ。

普通の人が掲げる目標は思いつきや、使命感のないものであることが多く、最初のうちこそ意欲は高まるものの、すぐにモチベーションが下がってしまうため、挫折を繰り返してしまう。

挫折してしまう人の「4つのタイプ」

「挫折」という結果だけを見ると同じだが、なかなか目標に届かず挫折してしまう人のタイプは大きく以下の4つにわかれる。

・勢いタイプ

最初の勢いはあるが、計画性がなく、行き当たりばったりで途中で挫折してしまうタイプ。しかも楽観的で「まあ、しょうがないか」と、あまり反省もしない。

・壮大タイプ

今の自分にとって高すぎる目標を設定し、途中で「やっぱり無理だ」と嫌になってしまうタイプ。このタイプは「理想の姿」を思い描き、達成するのが難しい計画を立てているため、挫折してしまう。天才型のやり方を無理に真似をして、一番大きく失敗してしまうパターン。「今度こそは」を永遠に繰り返し、言い訳が多く口先だけだと思われやすい。

・余裕なしタイプ

非常に細かく、しっかりとした計画を立てるが、余裕がなくて無理が生じるタイプ。やらなければならないことが増えると計画通りに行かないことが普通だが、そうなると力が発揮できなかったり、嫌になってしまい、その段階で行動をストップしてしまう。

・遭難タイプ

ビジネスの現場で意外と多いのがこの遭難タイプ。会社や上司から言われ、とりあえずの目標は立てるが、主体性がないため何をしてよいかわからず、結局何もしない。このタイプは、自分が何をしたいのか、どうすべきなのかを、よくわかっていないため、上から言われた目標をそのまま目標にしてしまっている。「一応取り組もうかな」とは思い、ある意味真面目に仕事はするが、自分というものがあまりないため、それだけ。先導役である上司がしっかりしていればいいが、そうでなければ、何も残らないタイプだ。

あなたはどのタイプだろうか?
少しずつ4つすべてが当てはまったり、目標によって挫折のタイプが違う、ということもあるかもしれない。いずれにしてもまず、自分がどのようなパターンで挫折しているのかを知ることが、大切なのだ。