【質問3】昼夜逆転と言っていいほど朝早く目が覚めます。どうしてですか? 改善できますか?

 
昼夜逆転の原因は、老化にともなう体内時計のずれ


人間、老化すると自然と体内時計がずれ始めます。「夜早く寝て、朝早く起きる」老人のライフスタイルは、自然な老化現象ともいえます。

しかし、それも行きすぎると問題です。18時に眠くなって明け方2時に目がさめるのでは、自然な生活とは言いがたいですよね。

もっと問題なのは、寝る時間は若いときから0時なのに、起きる時間はだんだん早くなって朝の4時というような場合です。加齢とともに睡眠のリズムは若いときと変わったとしても、1日に必要な睡眠時間は変わりません。7時間寝ると元気だった人は、年をとっても7時間睡眠が必要です。それなのに、眠れない。そんなときはどうするべきでしょうか?

体内時計のずれを正すには日光がポイント


睡眠時間を適正にするために、「これをすれば治る!」という方法は確立されていないのが現状です。しかし、体内時計を正し、眠りやすい環境をつくるというアプローチはある程度有効だと、臨床の現場でも確かめられています。

狂ってしまった体内時計を元に戻す方法としては、「日光(朝日)を浴びる」ことが一番です。加えて、50代ぐらいになると現場から管理職へ異動する人も多く、若いときにくらべて日中に外出する機会も減るのではないでしょうか? そういう人は、昼休みなどに積極的に外に出て、昼間に日光を浴びることも大切です。

小さな子どもは、夏の昼間に海や山などの屋外で遊ばせると、夜よく眠りますよね。基本の原理は子どもも大人も同じです。最低限、朝は日光を浴びる。できるだけ、昼間も外へ出る。この2つをまずは心がけましょう。

日光で体内時計のずれをリセット(photo by PhotoNner/photoAC)

入浴は眠る直前に


また、簡単な方法として「眠る直前に入浴する」というものもあります。人は、体の表面から熱が放熱されて体温が下がると眠りにつきやすくなります。普通に眠れる人々は、この体温調節が自然にできるのですが、眠りの浅い人、眠りの質の悪い人はうまくできていないことが多いようです。寝つきが悪く、眠りが浅いので、妙に早く目覚めるというわけです。

そこで、就寝直前に入浴したり、温かい飲み物を飲んで体を温めてから布団に入ると早く眠りにつけるので、結果的に長い時間眠れることがあります。

「眠れないことが悩み」と言いつつ、眠る努力はしていない人も多いものです。まずは朝の日光、昼間の外出、眠る直前の入浴、この3つを試してみてはいかがでしょうか?

【質問4】50代になってから、生活は何も変えていないのに気力がどんどん減っている気がします。なぜですか? 改善方法はありますか?


気力が減る原因は?


私のところへも相談が多いのですが、「50代過ぎてやる気がどんどん減る」という場合、「原因の特定」が大切です。

よくあるのが、いままで現場のリーダーだったのが管理職に異動したとか、別の部署に異動になったとか、不幸なことにちょっと左遷されたような状態になったとか、そういった会社でのポストや働き方の変化です。

これが、男の人には結構なダメージだったりします。しかし、病気とはいえませんね。はっきりした原因がある場合は、置かれた環境になじむ努力をするとか、仕事が自分の思惑と違う方向に行っているなら、仕事以外の「生きがい」を見つけるなどの努力が必要です。

私はつねづね言っているのですが、日本の男性は仕事=生きがいになりがちです。でも会社員の場合、仕事には必ず終わりが来ます。定年後に再雇用されても、65歳で終わりです。しかし人生はそれから先も15年前後続きます。仕事だけではない、「生きがい」は必要です。

男性更年期(LOH症候群)を知っていますか?


特に思い当たる原因はない。仕事も家庭もまずまずうまくいっている。だけど、気力がどんどん失われている。

その場合は、男性の更年期障害が始まっている可能性があります。これは男性ホルモン、テストステロンの減少によって引き起こされるもので「男性更年期」や「LOH症候群」と呼ばれて、最近、医療の現場でも注目されている症状です。研究が進んでいるアメリカでは60歳以上の19%、70歳以上の28%、80 歳以上の49%が該当するともいわれています。

LOH症候群は気力の低下を招くだけでなく、がんや、心臓の病気、糖尿病、メタボなどの生活習慣病の原因であるともいわれています。テストステロン値が低い人は、テストステロン値が高い人にくらべて上記の生活習慣病にかかりやすく、気力の低下が重症化するとうつ病などを発症する場合もあります。LOHは、男性にとって最も好ましくない症状のひとつといえます。

ストレスに要注意


LOHの発症要因で大きいものは「ストレス」です。40代から60代にかけては男性にとって充実した面白い時期で、40代はバリバリ働き、50代は下の人間を育て、60代は悠々自適というイメージがあります。しかし、体は加齢してストレスに弱くなっていきます。短い睡眠時間で体を酷使すると無意識のうちにストレスを感じ、テストステロンの分泌量が減り、LOH症候群へとつながっていきます。

気力が減る原因は……?(photo by すしぱく/PAKUTASO)

原因はわからないけどとにかく気力が減る、そんな人はLOHを疑って、体を休めてみてはどうでしょうか?


 

今回は50代以上の男性の悩みや素朴な疑問にお答えいただきましたが、ほかにもちょっとした悩み、疑問はあると思います。
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