『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんです。

この連載では、これまでライターとして3000件以上の取材・インタビューを経験した中から導き出した、「書くことが嫌い」を「書くことが好き」へと変える、文章作成のコツを教えてもらいます。

著者プロフィール

山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所主宰。出版社で編集者・記者を務めたのちに独立。これまでライターとして3000件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「書かずにうまくなる段取り文章術」「論理的に伝わる文章の書き方」「好意と信頼を獲得するメール文章術」「すらすら書ける文章テンプレート活用法」等、その日から使える実践的ノウハウを提供。また、2016年より中国の5大都市で「SuperWriter養成講座」を定期開催中。

著書に『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(共に日本実業出版社)ほか多数。文章作成の本質をとらえたノウハウは言語の壁を超えて高く評価されており、中国、台湾、韓国など海外でも翻訳されている。

「話や文章が長くて伝わらない」人に欠けた習慣

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2020/09/02 16:14

(photo by 雰囲気イケメン/写真AC)

一生モノのスキルになる! 『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる方法<連載第31回>

伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に関する著書も多い山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は、「要約力」を鍛えるために意識すべき習慣ついて。

要約力を鍛えるにはまず「制限」を意識する

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ビジネスシーンでのダラダラ話やダラダラ文章は百害あって一利なし。多くの人がこの意見に賛同するのではないでしょうか。「長く話したから」「たくさん書いたから」といって、相手に伝わるとは限りません。

一方で、要点を押さえて簡潔に話や文章をまとめたとき、つまり、要約力を発揮してアウトプットしたとき、相手はストレスなく内容を理解することができます。

でも、どうしたら要約力を発揮することができるのでしょうか? そのひとつに「制限を加える」という方法があります。

たとえば「上司に報告する際は1分で報告する」や「文章を書くときには300字でまとめる」などと、自分のアウトプットに制限を加えることによって、大事なポイントを抜き出すスキルが高まります。

エレベーターピッチでお客様のハートをつかむ!

エレベーターピッチをご存知の人もいるでしょう。エレベーターピッチとは、エレベーターに乗っているくらいの「ごく短い時間」で、乗り合わせた相手に説明・プレゼンすることです。時間が限られているので、1秒もムダにすることはできません。

たとえば、営業マンであるあなたが、商品の説明をするためにお客様のところに行ったとします。しかし、お客様は超多忙で、もう出かけなくてはいけない。あなたの相手をしている暇はありません。仕方なく、あなたはお客様が30階のオフィスから1階までエレベーターで降りる間に、商品説明することを決めました。あなたに与えられた時間は30秒程度です。このとき、あなたは何を伝えますか? 要約力が問われる場面です。 

おそらくあなたは一切のムダなく、本当に重要なポイントだけ抽出して伝えることに注力するでしょう。わずか30秒で相手から「へえ、それは気になる商品ですね。近いうちに詳しくお話を聞かせてください」と言ってもらうために、最適な情報と言葉を選ぶでしょう。

このとき、あなたの要約力は活性化しています。捨てるものは捨て、残すものは残す――その取捨選択を大胆かつ緻密に行っている状態です。

Twitterの140文字で要約力が身につく!

文章でまとめる力を養いたい人には、Twitterでのエクササイズをおすすめします。なぜなら、Twitterは1投稿が140文字と決まっているからです。文字数の制限があることで要約力が発揮されるのです。

140文字で文章をまとめるためには「本当に重要な情報+α」しか書くことができません。140文字の投稿をするとき、あなたの脳では情報に優先順位をつけて、書くべき内容を精査しているはずです。

たとえば、「今日見たドラマ」についてTwitterでつぶやくとしたら、1時間のドラマから印象的なポイントを抜き出そうとするでしょう。情報の9割近くを捨てながら、最重要メッセージに絞り込むはずです。「最近読んだ本」「初めて行ったレストラン」「最近のマイブーム」などなど、140文字のつぶやきを習慣化することによって、要約力が鍛えられていきます。

「制限」がビジネスパーソンの能力を伸ばす

エレベーターピッチも140文字のTwitter投稿も、アウトプットに「制限」を加える要約力のトレーニングです。アウトプットに制限を加えることによって、脳内にある膨大な情報から「死んでもこれだけは言っておく!」というひと言を見つけ出すことができるようになります。

慣れてくれば、制限を加えることが「苦」ではなくなるでしょう。それどころか、もう長々と話をすることや、長々と文章を書くことに抵抗を感じるようになるはずです。なぜなら、簡潔にまとめてアウトプットするほうが、相手に伝わりやすくなる、と知ってしまうからです。

あなたの要約力が低いとしたら、それは<自分に十分な時間や文字数が与えられている>と誤解しているからかもしれません。話をするときに「1分で話す!」、文章を書くときに「200文字にまとめる!」という具合に、シチュエーションに応じて、アウトプットに制限を加えましょう。この制限が、あなたの要約力を伸ばしていくはずです。

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9割捨てて10倍伝わる「要約力」

リモートワーク時代にも必須の最短・最速で確実に伝わる「要約力」を身につけると、仕事の成果が劇的に変わる!  もう「あなたの話はよくわからない」「あなたのメールは長くて読んでいない」と言われない! 

著者:山口拓朗

価格:¥1,400-(税別)

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そもそも文章ってどう書けばいいんですか?

「文章を書くことがストレス」「書くのに時間がかかりすぎる」「そもそも頭のなかにあることを文章にできない」……本書はそうした「文章アレルギー」のある人たちに、マンガを織り交ぜながら、わかりやすく文章の書き方をレクチャーしていきます。

著者:山口拓朗

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