「時間の断捨離」最前線

「こうしたほうが早くない?」が口癖の「効率マニア」ことNAE(なえ)さん。

外資系コンサルでIT戦略の策定・実行支援の仕事をするかたわら、日々の仕事で見つけた気づきや役に立った方法論を紹介するブログ「NAEの仕事効率化ノート」が注目を集めています。最近では、20代で徹底したい一生モノの「仕事の基本」をまとめた著書『外資系コンサルは「無理難題」をこう解決します。』も刊行され話題に。

本連載では「無駄な時間をゼロにする『時間の断捨離』最前線」と題して、仕事を効率化するため必要な、あらゆるトピックについて語っていただきます。

著者プロフィール

NAE(なえ) 
 
月10万PVブログ「NAEの仕事効率化ノート」運営者、外資系コンサルティング企業管理職

1980年代生まれ。早稲田大学・東京大学大学院で情報工学を学んだのち、外資系コンサルティング企業に入社。ITを軸とした戦略策定と企業変革に従事。金融業のM&Aに伴うシステム全体像の策定、小売業基幹システムのグローバル展開プランニング、製造業のIT戦略策定など、業界や国内外を問わず億円規模のプロジェクトを多数経験。 
 
その傍ら「テクノロジーの目利き」として、ITの進化に伴う将来のビジネスのあり方や影響を見通し啓蒙する活動に5年以上参画、ここ数年は社内の新入社員研修やクライアント企業の勉強会に講師としても活躍。「清く、正しく、泥臭く」をモットーに地に足ついたコンサルティングを得意とする一方、「こうしたほうが早くない?」が口癖の効率マニアでもある。 著書に『外資系コンサルは「無理難題」をこう解決します。』(日本実業出版社)がある。

なぜ外資系コンサルの「メモ」は美しいのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加

2018/08/08 16:44

(photo by acworks/photoAC)

効率化マニアの外資系コンサルが教える! 無駄な時間をゼロにする「時間の断捨離」最前線<第5回>

現役外資系コンサルとして膨大な仕事を最少の時間でこなしつつ、月10万PVブログ「NAEの仕事効率化ノート」も運営するNAEさんに、ビジネスの現場で役に立つ時短術のコツを教わります。今回は、実は奥が深い「メモ」の取り方について。

「メモを取れ!」の意図は? 

この連載の一覧はこちら

上司から「話したことはメモを取れ」と言われたことがある人は、かなり多いでしょう。そんなときに、言われた言葉をそのままひたすらメモに書いていませんか? 実はそれ、私が若手時代にやってしまった仕事が遅くなる行動です。
 
私が若手のころ、とても厳しい上司の下で働いていました。毎日のように厳しいレビューを受け、指摘された内容を正しく反映できていないところがあると激しく叱責されていました。そのため、レビューは一言一句言葉尻までメモに取り、「レビュー指摘事項一覧」をエクセルで作ってチェックまでしていたほどです。正直、苦しい時間でした。

ただそれでも、最後まで食らいついていたのは、上司のレビューを通った資料のほぼすべてが、お客様から一発OKをもらえていたからです。会議の終わりに「お前の資料、OK出てよかったな」という上司からのコメントと一緒に。

そのうえで、ほぼ必ず同時に指摘されたのが、「次はもっと早く書け」「お前のメモは情報が整理されていなくて美しくない。時間の無駄」でした。レビューでの指摘について 、

1. 一言一句メモを取る(記録) 
2. 一覧にとりまとめる(整理・清書) 
3. 意図を解釈する(理解・要約) 
4. 資料への反映方針を考える(行動) 

をエクセルでおこなったうえで、資料作成にとりかかる……この一連の作業が、上司から見たらただの「オーバーヘッド(余計な作業)」に見えたのでしょう。たしかに、指摘を正しく反映することが目的なら、1~3は頭の中で済ませてしまい、即座に4に取り組むのが最短です。

ただしそのためには、上司と同じかそれ以上の知識やスキル、もしくは一瞬で指摘の背景から言葉の意図まで要点を即座に理解する地頭のよさが必要です。凡人である私には、1~3を時短するしか道がなかったのです。

そこで、私は3つの点からメモの改善に取り組みました。結果、メモを取る量が減り、発言の要点を取り漏らさなくなりました。指摘事項のエクセル管理ももうやっていません。より多くの時間を自分の仕事に使えています。 
 
というわけで今回は、メモの取り方をいかに改善して無駄を削ぐかがテーマです。私が行った3つの「断捨離」をご紹介します。 

「メモの無駄」を削ぎ落とす3つの方法

1. 箇条書きで要約する

メモは必ず、箇条書きでまとめます。理由は単純で、発言をそのまま記録する「逐語録」形式でメモを取ると、無駄に文字を多く書かなければならず、メモそのものに時間がかかるからです。

たとえば「今日の会議はベンダさんも参加されるんですね。きっと初めて参画される方もいると思うので、名刺を忘れないようにしくださいね」という発言。このままメモすると59文字です。しかし箇条書きで以下のように書けば、16文字になります。 

・会議にベンダくる 
・初顔いる 
・名刺いる 

当然ですが、書く文字が減れば、それだけメモのスピードも早まります。 

ポイントは、意味的なまとまりで文を切ったうえで、「ですね」や「ぜひ~くださいね」など、話し言葉の言葉尻を書かないことです。無意識にやっている人がほとんどだとは思いますが、改めて見直すと無駄な言葉をメモしているときもあるので、いま一度意識してみてください。 
 
このように箇条書きで整理することは、思考力のトレーニングになります。 箇条書きでメモを書いていると、「要約しなきゃ」という意識が自然に働きます。

そして、「要約」はとても重要な思考の基礎スキルです。先ほど紹介した「余計な言葉を省く=重要なワードだけ切り抜く」も、実は要約の第一歩。「いろいろコメントもらったけど、結局のところ結論はこう、その根拠はこの3つ」のような形で整理できるのがゴールです。

日頃のメモで「箇条書き=要約しよう」を意識することで、常に思考力の筋トレをしているのと同じ効果が得られます。少し頭が疲れると思いますが、ぜひチャレンジしてみてください。

2. キーワードを明確にする 

箇条書きで要約する。無駄な言葉は取り除く。でもそれでは不十分です。雑多な単語が並んだ箇条書きのメモでは、やはり無駄な情報が多いからです。そのため次に答えるべき質問は、「残すべきキーワードはどう選べばいいのか?」です。  
 
意識すべきポイントは3つあります。 
 
・意思決定にまつわる発言 
・スローガン 
・数字や人名 
  
まず「意思決定にまつわる発言」は真っ先にメモしましょう。

たとえば会議の場合、どんなに場の意見が割れていようと、意思決定者の決断=発言は、その会議の決定事項になります。上司からの指示の場合、「○○ってことになったから、××して」の「○○」の部分は、指示された仕事を進めるうえで守るべき前提条件です。これらは今後の自分の動き方の土台になる情報なので、書き逃さないようにしましょう。 
 
そして「スローガン」は、発言されたあとに場の多くの人が頷いたワード、その言葉によって場がまとまったワード、つまりは「上手な言い回し」を指します。

上手と思える言い回しは人によって違うので、「こうすればOK!」という方程式はありません。私の場合だと、たとえば「あの人は出会い頭にハイキックかましてくるタイプの人が好きだから、話すときはそんな感じで」と言われて、ああなるほどな、と思ったことがありました(「ハイキックをかます」とは、意図や狙いが明確で強いインパクトのある結論を伝える。という意味で使われていました) 。

このエントリーをはてなブックマークに追加

外資系コンサルは「無理難題」をこう解決します。

仕事の手戻りが多い、つくった資料は上司のダメ出しだらけ、議事録がうまく書けない……。こうした悩みを解消し、効率よく仕事をこなすコツを、月間10万PVブロガー&現役外資系コンサルタントが初公開。一生モノの「仕事の基本」が身につく。

著者:NAE

価格:¥1,500-(税別)

オンラインストアで購入する

テキスト採用など、大量・一括購入に関するご質問・ご注文は、
弊社営業部(TEL:03-3268-5161)までお問い合わせください。

ページのトップへ