システム開発「見積り」のすべて
発売日 | 2009.06.17 |
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著者 | (株)野村総合研究所 SE応援ネットワーク |
判型 | A5判/並製 |
ページ数 | 288 |
ISBN | 978-4-534-04555-3 |
価格 | ¥2,860(税込) |
「工事進行基準」に対応した見積りがわかる1冊。工事進行基準、原価比例法、EVM、WBSなどの知識はもちろん、現場で役立つプロジェクトマネジメントのノウハウをすべて凝縮。プロジェクトを成功に導くことができるフォーマットやフレームが満載。
≪章立て≫
第1章 進捗を管理できない見積りは工事進行基準にそぐわない
第2章 SEも押さえておくべき工事進行基準の基礎知識
第3章 工事進行基準に対応した見積りの勘所を押さえる
第4章 見積りに必要なプロジェクトマネジメント力を鍛える
第5章 見積りの精度を最大限まで高める要件定義術
第6章 進捗管理の精度を高めるプロジェクト計画1
第7章 進捗管理の精度を高めるプロジェクト計画2
第8章 進捗管理の精度を高めるプロジェクト計画3
第9章 プロジェクト計画を成功させる運営ノウハウ
第10章 プロジェクトの監視とコントロール、完了
第11章 工事進行基準の導入の実際
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詳細
はじめに
本書の構成と活用方法
第1章 進捗を管理できない見積りは工事進行基準にそぐわない 11
1-1 工事進行基準は実際にどんな影響を現場にもたらすか? 12
工事進行基準は会計分野に限った話ではない
進捗情報を支える「見積り」が工事進行基準成功へのカギ
最低限知っておくべき工事進行基準の概要
1-2 工事進行基準では見積りがとても重要になる 14
見積りが売上金額の“根拠”となる
情報システム開発では「目に見えないもの」がたくさんあって厄介
最初の見積りでリスクを抑える
見積りを見直してリスクを抑える
見積りが売上に直結し、仮説検証型の業務プロセスが必須に
COLUMN システム開発は、顧客の業務改革・経営改革 20
第2章 SEも押さえておくべき工事進行基準の基礎知識 21
2-1 工事進行基準を理解するキモとなる会計の基本 22
工事進行基準のウラには「会計の進化」という潮流がある
会計と工事進行基準の関係
会計は変わり続けている
会計は“流水系”でカンタンに理解できる
複式簿記は世界共通のコトバ
工事進行基準が必要になった背景が重要
2-2 工事進行基準適用に求められる要件 30
要件の三本柱は「工事収益総額」「工事原価総額」「決算日における工事進捗度」
工事進行基準の正しい読み解き方
三本柱その1 工事収益総額
三本柱その2 工事原価総額
三本柱その3 決算日における工事進捗度
会計のルールは芋づる構造
2-3 工事進行基準の適用範囲 38
適用範囲は自社で決めて説明できるようにする
監査を受けている企業はすべて対象になる
受注制作のソフトウェアの範囲
ハードウェアとの複合取引ではどうなる?
小規模な案件への対応
「成果の確実性」の認められる範囲
2-4 工事進行基準を効率的に運用するための情報管理体系 44
QCDを満たしたシステムを構築しなければならない
「ブレない見積り」と「ブレさせない運営」が重要
プロジェクトマネジメント、PMO、会計は三位一体
横割組織で広く情報管理体系を整備する
情報の蓄積と活用を積極的に行なう
2-5 工事進行基準運用の勘所 49
顧客の要望の変化などによる、見積りの変更に対応できるようにする
見積りは適時・適切に見直す
現場の言葉で顧客・外部委託先と進捗を共有する
赤字案件に冷静に立ち向かう
COLUMN 業務改革効果のとらえ方 54
第3章 工事進行基準に対応した見積りの勘所を押さえる 55
3-1 見積もる前に課題を“見える化”する 56
工事収益総額、工事原価総額、工事進捗度が見積り対象となる
工事進行基準で見積もる3つの指標
工事収益と工事原価の算出式
工事進行基準を実施するための要件の明確化
見積り精度の高め方
パートナー会社を管理するコツ
進捗を把握するためには、原価の発生状況を把握しなければならない
3-2 ソフトウェア開発の見積り手順を概観する 60
3つの流れを何度も繰り返し、見積りの精度を上げることが重要
ソフトウェア開発は大きく3つの流れに分けられる
原価を算出する
価格=原価ではない
3-3 規模、工数、工期、原価を見積もる手法を知る 64
各手法を用いて、ソフトウェア開発の要件を算出する
要件は「機能要件」と「非機能要件」の2種類からなる
規模を見積もる手法
工数を見積もる手法
工期を見積もる2つの手法(スケジュール見積り)
原価を見積もる
3-4 正しい見積りのタイミングで精度を上げる 70
3回見積もることで、精度の高い見積りが実現する
ソフトウェア見積りのタイミングと精度の関係
概算見積りの精度を上げるコツ
FP法の概算によるトップダウン見積りの例
3-5 常識だった「人月」単位の見積りからEVMでの見積りへ 74
従来の工数だけの見積りでは何も保証されない
EVMとはどんな手法か?
EVMの活用のメリット
EVMのキモとなる3つの指標
EVMが“見える化”する3つのポイント
EVMを構成するいろいろな指標
3-6 EVMを現場で活用するコツ 81
EVMは金額などに加え、工数を尺度とすることで使いやすくなる
プロジェクト現場でEVMは使いやすい
現実的なEVMのスコープを作る
進捗率の計上方法
EVMグラフの見方
3-7 原価比例法とEVM 87
双方の特徴を活かしてステップアップさせることで見積りの精度を上げる
近年、注目されているEVM
インプットで見るか?アウトプットで見るか?
金額で見るか、金額以外で見るか?
原価比例法とEVMを比較する
目的に応じて使い分け、対比させながら精度を上げる
第4章 見積りに必要なプロジェクトマネジメント力を鍛える 93
4-1 プロジェクトのPDCAを動かすQMS 94
ルール手順を体系化して、共有することが重要となる
見積りをはじめる前に押さえておくべきプロジェクトの基本
1つでも欠けるとPDCAは回らない
4-2 標準フレームを作り、プロジェクトの標準化を図る 99
標準フレームは工程とアクティビティ、タスクから構成される
ノウハウを提供する標準フレームを作る
QMSと標準フレームの違い
プロジェクトマネジメント業務を実施する体系
4-3 品質や生産性のキモとなるPMO 105
PMOがカバーする範囲は全社、部門、プロジェクトに分けられる
PMOの役割と実務
プロジェクトの状況把握と共有
個別プロジェクトウォッチング
全体プロジェクトウォッチング
プロジェクトの支援活動
プロジェクト白書での統計的分析
ユーザーとベンダーの役割分担
プロジェクトマネジメントを支えるシステム
COLUMN プロジェクト初期段階での時間投入に注意 116
第5章 見積りの精度を最大限まで高める要件定義術 117
5-1 精度を上げる前に、正しいタイミングをとることが重要 118
要件定義前の見積りはプロジェクトを破綻させる可能性が高い
要件定義以前に見積もらない
顧客側の経営会議がデスマーチを開始させる
必ず3回で見積もること
5-2 要件定義前の見積り 121
簡単に上ブレするような参考見積りは避ける
要件定義前に見積もるポイント
「概算見積り」と「試算見積り」を使い分ける
5-3 見積りの精度を保証するための要件定義の技術 124
要件を一覧化することで、見積りの精度を上げることができる
正確な見積り=要件定義の精度アップ
要件定義は一覧化して把握する
要件定義の記述内容
非機能要件を整理する
5-4 PMBOKと連動した“4種の神器”で要件を確実なものにする 131
手段だけではなく、コミュニケーションギャップを埋めることが重要
要件を見誤らないための“4種の神器”
顧客の苦労を共有することが大事
工事進行基準にどう取り組むべきか
COLUMN 単なる契約の細分化は危険 136
第6章 進捗管理の精度を高めるプロジェクト計画1 137
6-1 プロジェクト計画の出来が進捗管理の精度を高める 138
何よりも事前予測(計画)が重要
計画ないところに実行なし
プロジェクト計画書には何を書けばいいのか
走りながら考えることはできない
6-2 プロジェクトのフレーム(枠組み)を設計する 141
サブシステム化計画がプロジェクトの進行を左右する
「プロジェクト設計手順」を俯瞰する
サブシステム化
サブシステム化の基準
サブシステム化のパターン
サブシステム化の変更
6-3 開発工程のフレームの活かし方 145
プロジェクト計画時の「工程の定義」が誤解を防ぐ
開発工程の定義
開発工程には主従関係が存在する
開発工程のフレーム
プロジェクトの開発工程を定義する
6-4 開発工程のフレームの作り方 150
フレームを正しく作れれば、多くの面でプロジェクトを運営しやすくなる
プロジェクトのフレームの作成
成果物の洗い出し方
WBSの作成
WBSを縦・横どちらに分解するのか
WBSからの見積りはむずかしい
第7章 進捗管理の精度を高めるプロジェクト計画2 157
7-1 開発規模の見積り 158
スコープを見誤らないことが見積りで一番大切なこととなる
前後左右のシステムを考慮する
「新規か、修正か」でスコープを見誤らない
母体規模と開発規模を見積もる
スコープを見誤らない(工程ごとのシステム規模)
見積り手法を組み合わせて見積りの精度を上げる
7-2 工程別工数を見積もる 164
会社内、本部内、部内、チーム内で生産性の数値を収集することが必要
規模のあとには、生産性を見積もる
生産性の適用範囲
生産性の工程別算出
インフラに気を付ける
管理工数に気を付ける
その他の工数算出方法
7-3 工期(スケジュール)を見積もる 173
見積り時にも、工数、工期、体制・要員は相互の見直しが必要となる
工数とスケジュールと要員計画は相互に関連し合っている
スケジュールのタイプは4種類ある
スケジュール間の関連
マイルストーンを設定する
全体スケジュールを策定する
固定期間作業の考慮
要件定義や外部設計期間の考慮
大日程スケジュールは綺麗な色合いに
7-4 体制・要員の見積り 182
デスマーチを防ぐためにも、体制・要員の見積りは欠かせない
体制の見積り
顧客体制の見積り
要員計画
山積みと山崩し
7-5 コストの見積り 189
要員計画表がしっかりできていれば、簡単にコストを算出できる
人的コスト
その他直接原価の見積り
7-6 リスクを見積もる 191
早い段階でリスクを見積もれれば、スコープのズレは防げる
3つの取組みでリスクを管理する
開発リスクについて
カットオーバーリスクについて
本番後リスクについて
リスク見積りの考慮点
第8章 進捗管理の精度を高めるプロジェクト計画3 197
8-1 顧客への提示とコストベースでの合意 198
顧客とベンダーがある程度共通の認識を持てるもので合意する
コストベースを合意する
何を前提条件とするのか
契約方法を決める
契約の分割し過ぎはよくない
8-2 プロジェクト運営方法を策定する 202
EVMで測定する手間をかけずに進捗を測る
進捗管理・品質管理計画
全メンバーで管理尺度を共通認識する
正確な進捗率をどうやって測るのか
EVMで見積りを検証する
8-3 PMO・会計と連携して工事進行基準に適用する 208
プロジェクトマネジメントシステムを立ち上げてプロジェクトを開始する
収支管理単位の開設
収支管理単位とは
プロジェクトマネジメントシステムの立上げ
プロジェクト予算の登録
COLUMN プロジェクト収支と組織の収支は別物 212
第9章 プロジェクト計画を成功させる運営ノウハウ 213
9-1 スケジュールを中日程、小日程に段階的詳細化する 214
各工程に突入する前に次工程のWBSを作成する必要がある
実行時スケジュールを作成する
実行管理の枠組み
段階的詳細化
中日程スケジュールを策定する
そのほかの中日程スケジュールの策定
小日程スケジュールを策定する
9-2 進捗管理 222
進捗状況は「小日程スケジュール単位」で管理する
進捗と品質を同時に作り込むのがよい
進捗管理の数値収集
品質管理の数値収集
EVM進捗管理は進捗率の把握
EVM進捗管理はACの収集
EVMでの実績工数把握
EVMは設計フェーズに効果大
体制を見直す
9-3 外部委託管理 229
パートナーとのかかわりがより重要になる
パートナーの見積りは自社見積りとの比較が必要
パートナーとの合意
外部委託管理のシステム
パートナーからの受入れ
9-4 PMO・会計との連携 231
プロジェクトマネジャーが会計を意識しなくてもいい仕組みが必要
関連システムと実績値の反映
プロジェクト収支実績の反映
プロジェクト計画を成功させるための3つの鉄則
第10章 プロジェクトの監視とコントロール、完了 235
10-1 スコープ監視とコントロール 236
ブレない見積りと見積りをブレさせない運営がベンダーの力の見せ所となる
変更管理は「継続する見積り」
スコープの変更の発生と要因
スコープ変更と見積りミスは違う
スコープ変更への対処
開発規模の測定
10-2 進捗監視とコントロール 242
EVMで予定、出来高、実績を分析し、進捗予測と現在の進捗率を検証する
EVMによる進捗検証
完了時総コスト見積り(EAC)を常に見積もること
隠れた進捗遅延を燻りだせ
進捗遅延の要因を分析する
進捗遅延をキャッチアップする
スケジュール意識を持つことを周知徹底する
10-3 その他の監視とコントロール 249
手戻りが発生しないようにExit基準を設けることが重要
品質の監視とコントロール
手戻りを防ぐための「Exit基準」
リスクの監視とコントロールを実行する
プロジェクト成功の確率と失敗判断ポイント
10-4 PMO・会計との連携 254
進捗を毎月チェックすることによって、大掛かりな見直し作業がなくなる
定点チェックと計画の見直し
プロジェクト収支の見直しの例
10-5 契約終了時を顧客と合意し、メンバーを解放する 257
システム開発の終了も顧客と合意する必要がある
契約終了時に顧客と合意する
プロジェクトメンバーの解放
10-6 プロジェクト完了時のPMO・会計との連携 259
PMOや会計面の対応が完了して初めて、プロジェクトは終了する
組織の知的資産の蓄積
プロジェクト数値の収集
収支管理単位を閉鎖する
アフターコストの扱い
第11章 工事進行基準の導入の実際 261
11-1 工事進行基準導入の実際 262
プロジェクト別収支管理に対する必要性が喫緊の課題だった
現場の混乱とニーズが工事進行基準を生んだ
システム開発現場からの要望
事例から学んだ工事進行基準
工事進行基準導入の難関を突破
「NRI発生基準」の誕生
11-2 工事進行基準会計を導入した際の課題 267
工事進行基準を活かす会計制度設計の5つのポイントを知る
会計制度見直しの背景
会計制度の構築ポイント
11-3 当社会計制度の核となる会計ユニット 272
契約と会計ユニットを一致させたことが会計と業務の一体化につながった
会計ユニットとは?
複数部署によるコ・ワーク
会計ユニットの種類
11-4 工事進行基準は実際にどんな影響を現場にもたらすか? 274
信頼ある見積りが現場業務のはじまりとなる
1 見積りの作成と信頼性の確保
2 開始証憑の取得と会計ユニットの開設
3 月次予算の作成・登録
4 契約変更と見積総原価の見直し
5 完了証憑の取得と会計ユニットの完了
6 期間延長(必要に応じて実施)
7 アフターコスト(必要に応じて実施)
11-5 会計情報としての工事進行基準を活用する 279
業務情報として活用できる絶好のチャンスがきた
「会計情報課」を創設
経営層による会計システムの活用法
事業部門のワークスタイルの変化
11-6 工事進行基準導入を成功させるポイント 282
みなさんがどう取り組むかが成功へのカギ
本章の事例をどう活かすか?
索 引 284
※ 本書に記載されている社名、商品名、製品名などは各社の商標または登録商標です。
本文中に(C)、(R)、TMを明記していません。
※ 本書は2009年4月現在の情報を基にしておりますので、各社サービス等が
変更されている可能性があります。
※ 本文中に掲載した企業会計基準第15号「工事契約に関する会計基準」は、
財団法人財務会計基準機構・基準会計基準委員会の公表物から引用したものです。
著者プロフィール
(株)野村総合研究所 SE応援ネットワーク