情熱の真空管アンプ
発売日 | 2004.04.14 |
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著者 | 木村哲 |
判型 | A5判/並製 |
ページ数 | 432 |
ISBN | 978-4-534-03740-4 |
価格 | ¥3,960(税込) |
真空管アンプの製作において、きわめて実用的でなかなか聞けなかった疑問に答えるとともに、自在に球を変更したり、回路を工夫したりできる高度なノウハウが満載。プロ顔負けの「自分だけのアンプ」がつくれる自作ガイドの決定版!
≪章立て≫
プロローグ The King of Hobby
第1章 真空管を手に入れよう
第2章 増幅回路ベーシック
第3章 電源回路ベーシック
第4章 全段差動ベーシック・アンプ……設計編
第5章 部品ガイド
第6章 半導体いろいろ
第7章 工具と機材
第8章 全段差動ベーシック・アンプ……製作編
第9章 調整と測定
第10章 トラブル・シューティング
第11章 16A8(3結)全段差動プッシュプル・アンプの設計と製作
第12章 アース回路
第13章 利得、周波数特性と負帰還
第14章 Ep-Ip特性と真空管の3定数
第15章 真空管のヴァリエーション
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詳細
プロローグ The King of Hobby
今なぜ、真空管アンプなのか 10
本書のコンセプト 12
師匠と弟子のいいたい放題「真空管の歴史をひもとく」編 14
第1章 真空管を手に入れよう
まず、1本の真空管を手に入れよう!! 28
工業技術が生んだ緻密で美しい世界 28
どんな真空管でも一人前の音を出す 29
ビーム管「6L6」 29
名球「EL34」 30
テレビ球「6AH4GT」 31
後からでも真空管の変更は可能 32
ガラスの中の小宇宙 32
飛ぶ電子 33
グリッドとはなにか 34
たとえば6AH4GTの場合 34
3極管、5極管、ビーム管 35
3極管接続(3結)という方法 36
21世紀の真空管事情 37
ゲッターとはなにか 38
電圧増幅管「6SL7GT」と「6SC7」 38
メタルとズン胴とだるま 40
小型サイズの電圧増幅管 40
真空管ソケット 41
ピン番号と接続 42
真空管は過去の遺産 44
真空管の購入方法 44
第2章 増幅回路ベーシック
オームの法則を思い出そう 48
電圧、電流、抵抗、電力の単位 49
真空管回路とプレート電流 50
基本動作(ロードライン) 51
真空管の特性図(Ep-Ip特性=プレート特性) 52
プレート特性とロードライン 53
異なる条件のロードライン…プレート負荷抵抗値を変化させたら 55
最大出力電圧 58
異なる条件のロードライン…電源電圧を変化させたら 59
直流負荷と交流負荷 59
2本のロードライン 61
利得の計算 62
バイアスを与える……固定バイアス方式 64
バイアスを与える……カソード・バイアス方式 65
カソード・バイアス方式のメカニズム 66
直結回路のバイアス 67
バイアスを与える……応用 68
差動増幅回路 69
電力増幅回路のロードライン 74
プレート電圧の謎 75
最大出力を計算する 76
シングル回路の動作例を検証する 77
6L6(3結)動作の検証 81
多極管の3極管接続 82
シングル出力回路の長所・短所 84
プッシュプル出力回路 87
プッシュプル・サイクル 88
A級プッシュプルとAB級プッシュプル 89
プッシュプル出力回路のロードライン 90
差動プッシュプル出力回路 92
〈コラム〉 初速度電流が流れる領域では歪みが増加する 56
〈コラム〉 ピーク~ピーク値と実効値 58
〈コラム〉 抵抗・コンデンサ容量の合成値 62
第3章 電源回路ベーシック
電源には3種類ある 98
AC100V 98
ヒューズ 99
ネオン管 100
電源トランス 100
TANGO PH-185の場合 101
整流素子 102
整流方式 107
整流出力電圧はどれくらいになる? 111
リプル・フィルター回路の基礎 113
整流直後のリプル電圧 117
ヒーター(フィラメント)の規格 119
6.3Vヒーター巻き線 120
ヒーター回路の工夫 121
直熱管のフィラメント 122
LEDやネオン管によるインジケーター 123
第4章 全段差動ベーシック・アンプ……設計編
設計コンセプト=割り切りが大切 128
音のレベルが十分高いものであること 129
真空管マーケット事情 130
全体の構成 131
動作の概要 132
回路の概要 133
6AH4GTを使った出力段の設計 142
6L6(3極管接続)を使った出力段の設計 147
共通定電流方式と独立定電流方式 149
プレート電流の検出回路 151
グリッド抵抗とバイアス調整 153
初段のロードライン 156
利得の設計 158
負帰還の設計 161
最終決定回路 165
第5章 部品ガイド
出力トランス 170
電源トランス 176
脇役だが重要な役割を担う抵抗器いろいろ 178
カラー・コード 180
E系列 182
抵抗器の実装技術 184
可変抵抗器(ボリューム)と半固定抵抗器 186
いろいろあるコンデンサ 190
コンデンサのコード表示の見方 197
真空管ソケット 199
ラグ板 200
入出力端子 201
電源スイッチとスパーク・キラー 202
ビスとナットとスペーサー 204
ヒューズとヒューズ・ホルダー 205
ACインレット、メタル・コネクタ、ブッシュ 206
〈コラム〉 音が良くなる「部品・素材」 182
〈コラム〉 音量調整ボリュームの左右偏差 189
第6章 半導体いろいろ
半導体は小さな樹脂の塊 208
シリコン・ダイオード 208
定電流ダイオード(CRD) 212
定電圧ダイオード(ZD=ツェナ・ダイオード) 214
トランジスタ 215
3端子レギュレータ 219
半導体の測定と選別 222
半導体特性簡易測定器の製作 225
第7章 工具と機材
必要最低限の工具と測定器 228
テスター 228
ハンダごてとハンダ 229
ベーシックな工具、あると便利な工具 231
シャーシの加工 232
第8章 全段差動ベーシック・アンプ……製作編
全体のレイアウト 236
トランスの配置テスト 236
標準シャーシのレイアウト 237
標準シャーシの供給 240
アース・ライン 241
真空管アンプの全製作手順……トラブルを出さないような製作プロセス 243
ステップ1 シャーシ設計と加工…243
ステップ2 構造部品の取り付け…244
ステップ3 AC100Vラインと通電テスト…245
ステップ4 ヒーター配線と通電テスト…246
ステップ5 B電源と通電テスト…248
ステップ6 出力段の動作テスト…250
ステップ7 出力段バイアス調整…251
ステップ8 初段と入力回路…253
各部の電圧と電流 255
第9章 調整と測定
段階的通電テスト 258
目で見て・匂いを嗅ぎ・耳を澄ます 259
各部の電圧の測定 259
出力段のプレート電流値を揃える 260
アンプを測定する 261
利得の簡易測定法 262
ダンピング・ファクター(D.F.)の測定 268
負帰還と正帰還 271
正帰還になってしまったら 272
残留雑音と残留ハム 273
周波数特性 275
左右チャネル間クロストーク 276
測定データ 276
高域特性のチューンアップ 280
〈コラム〉 スピーカーのインピーダンス特性 269
第10章 トラブル・シューティング
トラブルは起こる 284
製作段階で注意すべきポイント 284
トラブルが発生した時の解決プロセス 289
第11章 16A8(3結)全段差動プッシュプル・アンプの設計と製作
6BM8一族 300
6本の16A8 301
シングル動作例 301
構想を練る 302
回路構成 306
各部の電圧 309
特性 310
第12章 アース回路
アースは難しい!? 314
信号や電流は必ず「行き」と「帰り」がある 314
1段増幅回路とアース記号 315
2つの信号ループ 315
信号ループはコンパクトに 318
直流はどこを流れるか 319
2段増幅回路 320
負帰還ループ 321
B電源のリプル電流とアース 322
親切が仇 324
静電誘導と電磁誘導 324
入力回路のシールド線の処理法 327
第13章 利得、周波数特性と負帰還
利得の考え方 330
利得の算出 331
位相 336
周波数特性 337
デシベル算 344
歪みの発生メカニズム 347
負帰還のメカニズム 349
負帰還の薬効と副作用 355
局部帰還とオーバーオール帰還 358
音の変化 359
第14章 Ep-Ip特性と真空管の3定数
真空管の3定数 362
増幅率(μ) 362
内部抵抗(rp) 364
相互コンダクタンス(gm) 365
「μ」と「gm」と「rp」の関係 366
真空管の3定数データの応用 367
第15章 真空管のヴァリエーション
真空管アンプの得意技 370
電圧増幅管 370
◆高μ3極電圧増幅管その1(μ=100) 370
◆高μ3極電圧増幅管その2(μ=40~70) 372
◆中μ3極電圧増幅管(μ=24~40) 375
◆低μ3極電圧増幅管(μ=20) 376
◆5極電圧増幅管 378
電力増幅管 379
◆6L6族 379
◆6F6族・6V6族 379
◆USベースの小・中型5極/ビーム電力増幅管 381
◆USベースの大型5極/ビーム電力増幅管 382
◆MTベースの小型5極/ビーム電力増幅管 383
◆テレビ用小・中型3極電力増幅管 384
◆オーディオ用3極電力増幅管 385
真空管データ表示ポリシー 387
付録 真空管の特性データ
真空管データ一覧/凡例 392
□3極電圧増幅管(μ=100) 394
□3極電圧増幅管(μ=70) 396
□3極電圧増幅管(μ=40~60) 398
□3極電圧増幅管(μ=30~40) 400
□3極電圧増幅管(μ=20~30) 402
□3極電圧増幅管(μ=~20) 404
□5極電圧増幅管 406
□6L6の系統 408
□6V6の系統 410
□6F6の系統 412
□5極・ビーム中型電力増幅管 414
□5極・ビーム大型電力増幅管 416
□5極・ビームMT電力増幅管 418
□TV用3極電力増幅管 420
□国産3極電力増幅管 423
□オーディオ用3極電力増幅管 424
6AH4GT全段差動プッシュプル・アンプ 全回路図 426
索引 428
著者プロフィール
木村哲
1954年生まれ。小学生のときにエレキットと『子供の科学』の付録で電子回路にめざめ、中学で初歩のラジオ、無線と実験でオーディオの世界にハマる。真空管アンプを中心に製作活動を行ない、96年からHPを開設。雑誌などで紹介され、ネット世界では「ぺるけ師匠」として知られる。HPは120万アクセスを超える。ビーコンIT(旧ソフトウェア・エージー)に勤務。86年米国ICPスーパーセールスマン賞受賞、94年データハウス技術部長。IT戦略、データウェアハウス導入などでNTT、IBM、マイクロソフトなどの講師を勤める。記事・論文執筆多数。共著に『CR選書・OLAP・実践データウェアハウス』(日本経営科学研究所)がある。