この列挙型がいいのは、最初に全貌を見せてから1つめ、2つめ、3つめと伝えることができるので、読み手が受け取りやすいところ。また、書き手が頭を整理するのにもすごく役立ちます。

じつは、文例のような文章を書いてしまう人はとても多いんです。でも、読み返すことであとから必ず修正できます。読み返さずに書きっぱなしにするから、伝わらない文章になってしまうんです。

書いた文章はしっかり読み返して、情報はグループにまとめるようにしましょう。

5.読者を明確にする

5つめは「読者を明確にする」です。

ここから先は、文章を書くことによってビジネス的に成果を出したい、目的を達成したいと考えている人に向けてお話しします。成果を求めず、自分自身を表現するためにブログなどを書かれている人は、参考までに聴いていただければと思います。

目的を達成するために一番大事なのは、「読者を明確にする」ということなんです。

これらの車雑誌の表紙を見てください。

(車専門誌15誌の表紙画像を見ながら)
定期的に刊行されている車雑誌は調べると50誌くらいあるようですが、これはその一部の表紙を並べたものです。

これを見て何か気づいた人はいますか?

(参加者から)
「特化している」
そう、するどいですね。その通りです。

読者対象が、車種別や趣味別などに細かく細分化されているわけです。キャンピングカー専門誌、「ハイエース」に乗っている人だけに向けたもの、カーオーディオ専門誌もあります。ほかにも軽自動車だけ、レトロな車だけを集めた雑誌もある。

今はとにかく情報過多、情報氾濫時代です。そういう時代に「すべての車好きにお贈りする車の総合雑誌を創刊しました!」とアピールしても、まったく売れないと思います。なぜなら、読みたい雑誌がすでに存在するからです。キャンピングカーに乗っている人は総合誌を読まないですよね。自分の知りたい情報が載っている雑誌がすでにあるから。

情報量が今より少ない20年前であれば、車の総合誌もすごく売れました。あらゆるジャンルの車情報が載っているものが売れた。でも今は、不特定多数に向けて情報を発信しても、まったく興味を持ってもらえません。

ブログなどでも、自分が書く文章のターゲットを明確にしない限り振り向いてももらえない。読まれないんです。だから、どんな人に読んでもらいたいかはっきりさせないといけないのです。

マーケティング用語で「ペルソナ」といいますが、1人の読者の理想像を想定する方法があります。たとえば3歳の子どもがいる主婦に向けて書くとか、30代のビジネスパーソンに向けて書くとか。

先ほどの車雑誌のように、ターゲットを明確にするということが、ブログなどを読んでもらうための非常に重要なポイントだと考えてください。

6.ターゲットに貢献する

6つめは「ターゲットに貢献する」、この意識は欠かせないと思います。

「貢献」というと難しく感じてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。貢献という言葉の意味を少し幅広くとらえていただきたいんです。楽しませたり、喜ばせたりすることも立派な貢献です。癒したり、元気づけたり。驚かしたり勇気づけたりすることもできる。あるいは自分のことをさらけ出す。気づきを提供する。ときには喝を入れたりもする。

要するに貢献の内容はいろいろあるわけです。一番よくないのが、書き手が書きたいことだけ書いて、読み手の感情がまったく動かないことなんです。「ふうーん」で終わってしまうような場合ですよね。そうではなくて、自分の文章を読む時間を割いてくれる読者に、何か貢献できないかな、ということを考えるんです。

そう考えると、自分が書きたいことだけ書くわけにはいかなくなりますよね。書きたいこともあるけれど、一方で読者が読みたい情報もある。この2つがクロスしている記事なら、読者の感情を動かすことができる。貢献することができるんです。

プロのブロガーさんたちはこのことをちゃんとわかっています。彼らは読み手が何を知りたいか、ということを感覚的に知っているし、リサーチもしています。その部分に自分が書きたいことや個性をクロスさせて書いているので、反応が得られやすいんです。