「文章を書くのが超苦手」な人のための『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』(山口拓朗著)CHAPTER01、後編を公開します(前編はこちら)
  【本書のあらすじ】
小学生の頃から作文が大嫌いで文章アレルギーを持つモモは、ウェブ制作会社に勤める25歳。新しい上司から文章を書かされる機会が増え、苦悶の日々を送っている。見かねた同僚の元編集者、モジャ先輩は、モモに基礎の基礎からレクチャーをはじめた。社内懇親会の案内文を書くのにも苦労するモモだったが、少しずつコツを身につけていく。

モモとモジャ

※自分が作った社内懇親会の案内文を材料に「一文を長く書く人は、ムダに長いスピーチをダラダラ話す人と同じ」と、「一文一義」の大切さを教わったモモ。モジャ先輩のレクチャーは続きます。

情報の「生き別れ」にご注意

情報はグループにまとめよう

モジャ「お次は『グループごとに情報をそろえる』ということだ」
モモ「はあ、グループごと……」
モジャ「そう、グループ。つまり仲間」
モモ「私の文章では、同じグループの情報がばらばらに書かれている、ということ?」
モジャ「そういうこと。離れている情報がないか、よく見てみろよ」
モモ「えーっと………。ん、どこだ?」

モジャ「えっと、この案内文に盛り込まれた情報の要素は、大きく分けて3つかな。『社内懇親会をやるよ』というアナウンスと、『出欠をご連絡ください』というお願いと、『社内懇親会の詳細情報』の3つ」
モモ「あっ、わかった! 会場と時間が同じ詳細情報なのに、離れちゃってるんだ」
モジャ「そのとおり。会場と時間は仲間だから、同じ並びで書いてあげたほうがいい。同じグループの情報が散らばっていると、読む人の頭に入りにくくなるから」

佐々木は、もはやモモの許可をもらうこともなく、キーボードを叩きながら案内文を勝手にいじりはじめました。

〈うううっ、いつの間にかモジャ先輩に仕切られている……〉

モモは劣勢に立たされている自分に、少しばかり歯がゆさを感じていました。例文5