東京や大阪など、大都市圏内では「鉄道交通網が発達している」「そもそも駐車する場所も金もない」という理由で、免許は取っても車を持たない人が増えています。

しかし、地方はまだまだ車社会。地方支社への転勤・配属が決まったり、あるいは都心部であっても出産や介護、保育園への送り迎えで再び運転する必要がでてきた」という人もいることでしょう。自動車教習所でも、そうしたドライバー復帰予定者向けに講習を行なっているところもあります。

そこで、事前にある程度おさらいしておきたいという人向けに、縦列駐車と車庫入れのコツを解説します。最近はモニタで後方の様子が見られる車もありますが、基本はおさえておく必要があります。ペーパー復帰者も現役ドライバーも、本記事を参考にもう一度運転テクニックを見直してみましょう。

※本記事は、『図解 運転テクニック』(近田茂 監修/五條瑠美子 イラスト)の内容を元に構成されています。

縦列駐車で失敗しやすいのはこんな時

まずは縦列駐車について。縦列駐車で車を後ろから入れていくときは、

  1. まずハンドルを左側に切りながらバックする
  2. 自分の車の後部が入ったら、ハンドルを右に切り替える
  3. 自分の車が入りきらなかったら、再び左に切り替え→前進・バックを繰り返すなどして路肩に寄せていく

という流れになります。このときに起こり得る失敗として、以下のようなものが挙げられます。

  1. 横の車にぶつけたり、こすったりする
  2. 路肩側の歩道に乗り上げたり、塀や壁にぶつかる
  3. 接触こそしなくても、何度も切り返しした挙句、車を入れることができない

このうち、失敗例1・2を図で表すと下記のようになります。

zyuretu1
縦列駐車の失敗例(『図解 運転テクニック』p.27より引用、以下引用はすべて同書より)

図中の解説にあるとおり、失敗1はハンドルを早く左に切りすぎるのが、失敗2はハンドルを戻すタイミングが遅すぎるのが原因で発生します。では、失敗しないためにはどうすればいいのか。詳しく見ていきましょう。

縦列駐車がうまくなるための4つのポイント

縦列駐車を上達させるコツは以下の4つです。

  • 物理的に駐車できるかどうかの判断
  • 隣のクルマにこすらないためのミラーの利用
  • ハンドルを右に回すタイミング
  • バックをやめるタイミングと、そのときのハンドルの状態
(p.28より)

また、バックで寄せはじめるとき、最初から左側にピッタリ寄せる必要はありません。車を入れた後に左側が空いていたとしても、少し前に進んでからバックで左後ろに寄せていくのを繰り返せば詰めることができるからです。それでは、以上の4つのコツを図解で見てみましょう。