『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんです。

この連載では、これまでライターとして3000件以上の取材・インタビューを経験した中から導き出した、「書くことが嫌い」を「書くことが好き」へと変える、文章作成のコツを教えてもらいます。

著者プロフィール

山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所主宰。出版社で編集者・記者を務めたのちに独立。これまでライターとして3000件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「書かずにうまくなる段取り文章術」「論理的に伝わる文章の書き方」「好意と信頼を獲得するメール文章術」「すらすら書ける文章テンプレート活用法」等、その日から使える実践的ノウハウを提供。また、2016年より中国の5大都市で「SuperWriter養成講座」を定期開催中。

著書に『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(共に日本実業出版社)ほか多数。文章作成の本質をとらえたノウハウは言語の壁を超えて高く評価されており、中国、台湾、韓国など海外でも翻訳されている。

「困った!書けない」がなくなるSNS投稿ネタ8選

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2024/02/02 18:36

Photo by DeepWeb/Pixabay

一生モノのスキルになる!
『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる方法  <連載第72回>

伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に精通する山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は「アイデアの引き出し」について。

投稿ネタの引き出しを増やそう!

SNSに投稿する際「何を書けばいいかわからない」という相談をよく受けます。そういう人の多くが、投稿ネタの引き出しを持っていません(あるいは、引き出しが少ない状態です)。今回は、SNS初心者がすぐに使える投稿ネタのバリエーションを紹介します。

(1)あなたの「気づき」を書く

多かれ少なかれ、人間は何かしらの気づきを得ながら日々を生きています。世の中のトレンドの変化に気づく。仕事を早く終わらせるコツに気づく。街の変化に気づく。自分のクセに気づく。○○を上手にやる方法に気づく。自分の感情に気づく——など。気づいたことは、投稿ネタになり得ます。気づいた瞬間に、メモ代わりとしてX(旧Twitter)などでつぶやいてもいいでしょう。

(2)あなたの「楽しい」を書く

「楽しい」は格好の投稿ネタです。友人と○○旅行に行った。おもしろい映画を見た。おいしい○○を食べた。推しメンが主演のドラマが始まった。大好きなゲームを攻略中。お気に入りのブランドの服を買った——など。「楽しい」は、書き手自身にとってテンションの上がるネタです。「いいね!」やコメントがつけば、その「楽しさ」はより増幅し、幸せな気持ちになれるでしょう。

(3)あなたの「挑戦」を書く

大小を問わず、挑戦する姿は人の心を打つものです。TOEICに挑戦する。フルマラソンに挑戦する。初めてピアノを習う。起業する。初めて○○料理を作ってみる。農業体験をしてみる。小説を書いてみる——など。お風呂のカビ取りにチャレンジ! だってOK。あなたが挑戦する姿に、多くの人が勇気づけられるでしょう。同時に、応援や励ましの声がたくさん届くでしょう。

(4)あなたの「弱み・失敗」を書く

自分の弱みも投稿ネタとして使えます。早起きが苦手。家事が苦手。人見知り。運動が苦手。数字が苦手——など。同時に、失敗談も投稿ネタになり得ます。うっかり○○してしまった話。頑張ったけど歯が立たなかった話。何度も繰り返してしまう常習犯的失敗——など。弱みや失敗談を語れる人は、オープンマインドな人です。あなたの人間味や素直さが伝わるため、フォロワーも親近感を抱くでしょう。

(5)あなたの「夢」を書く

あなたが友達に、胸を高鳴らせながら夢を語っている時、あなたのエネルギーは高く、目の前の友達の心を引きつけていることでしょう。それと同じ感覚で、SNSにも投稿してみましょう。夢を書くと実現しやすくなる。これは古今東西、あらゆる夢の実現者が語っている方法です。また、SNSで発信をすることで、あなたを応援したいという人が現れやすくなります。

(6)あなたの「人生のターニングポイント」を書く

人生のターニングポイント(転機)は強力なネタです。ある人と出会ったこと。ある会社に転職したこと。一冊の本を読んだこと。一本の映画を見たこと。ある人からアドバイスをもらったこと——など。人生ターニングポイントと、その前後の違い(変化)を語ることで、あなたの“人となり”が伝わるほか、共感する人も現れるはずです。

(7)あなたの「感動」を書く

感動は「するもの」ではなく「してしまうもの」。感動をシェアすることで、あなたの「自分らしさ」や人柄が伝わりやすくなります。夕焼けを見て感動する。スポーツを見て感動する。美しい建築に感動する。よくできた脚本に感動する。おいしい料理に感動する——など、感動のポイントは人それぞれ。それゆえ、SNSで語るに値するわけです。あなたが伝えた感動の投稿に、共感・感動する人も出てくるでしょう。

(8)あなたの「シンドい」を書く

「シンドいこと」も発信ネタです。ケガや病気をしている。パートナーとケンカしている。理不尽な扱いを受けている。○○が思うようにいかない——など。シンドいことを発信することで、あなたのシンドさも和らいでいくでしょう。また、フォロワーからの共感や励ましのコメントが、あなたを勇気づけることもあります。シンドさを語る際は、誰かの悪口にならないようにだけ注意しましょう。

*     *     *

このように投稿ネタの引き出しバリエーションを増やしておくことで、SNS投稿時の「書くことがない」という悩みから解放されます。迷った時は、ここでご紹介した投稿ネタをお使いください。

紹介する対象に光を当てて、いきなり「『会話が弾む秘訣BEST100』という本がおすすめです」と書いたところで、「読みたいです!」「買います!」という反応は期待できません。なぜなら、その本の魅力を具体的にイメージしにくいからです。

一方で、序盤で書き手の体験を書くことによって、「会話が怖い……気持ちわかるなあ」「そうそう、わたしも1対1の会話が苦手!」のように、読者の共感が生まれやすくなります。


山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術——「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか多数。

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