人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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金子さんのルーツ、入間市金子

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2023/02/21 10:17

埼玉県入間市の金子に行ってきた。実は14年前にも行ったことがあり、今回は2回目である。前回は金子駅東側の金子神社に行っていたので、今回は駅西側にある金子一族の墓を訪れてみた。

金子駅を出て北に向かい、八高線を渡って北西に進むと桂川神社が見えてくる。金子一族の墓所はその先の瑞泉院という寺院にあるというが、そこは瑞泉院記念メモリアル・アカデミー入間霊園となっていた。瑞泉院は古くは木蓮寺といい、現在も住所は入間市木蓮寺。この木蓮寺は金子十郎家忠の妻の諡(おくりな)、木蓮寺殿に由来するという。

入間霊園入口の脇に「金子十郎家忠一族宝篋印塔入口」という案内があり、その後ろには「金子十郎家忠公之墓所」と書かれた石票が建てられていた。とはいえ、ここを抜けるとその先は入間霊園の一角で、その片隅に金子一族の墓所があった。

金子一族の墓所

覆屋の下には墓塔が6基、どれが誰の墓塔かはわからないらしい。この時代の墓所はその所領を見下ろす山の中腹に設けられていることが多い。

金子氏はこのあたり一帯の金子郷を本拠地とした武士で、木蓮寺も金子郷の一部だった。鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』にも登場、源義経に従って活躍した金子家忠が有名だ。以後、戦国時代までこの地に勢力を持ち、豊臣秀吉の小田原攻めで上杉景勝に降伏した。一族は全国各地に広がっており、全国の金子さんはこの武蔵金子氏の末裔と伝えていることが多い。

その後、八高線を再度渡り、14年振りに金子神社も訪れてみた。神社の周辺は遊歩道として整備されており、ちょっとした広場にはミミズク(?)を模した木彫りが置かれていた。

金子神社近くの梅の花
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