『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんです。

この連載では、これまでライターとして数多くの取材・インタビューを経験した中から導き出した、「書くことが嫌い」を「書くことが好き」へと変える、文章作成のコツを教えてもらいます。

著者プロフィール

山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術——「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか多数。

「は」か「が」で悩んだ時の3つの使い分け基準

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2022/02/04 14:48

(Photo by sixteen miles/Unsplash)

一生モノのスキルになる! 『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる方法<連載第48回>

伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に関する著書も多い山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は、使う頻度の高い助詞「は」と「が」の使い分け方について。

「既知の情報」か? 「未知の情報」か?

主語のあとに用いる助詞の「は」と「が」。両者の使い分けで迷った経験がある人も多いでしょう。「は」と「が」の使い分けには、いくつかのポイントがあります。

1つめは、主格となる名詞が既知の情報(=すでにしていること/わかっていること)なのか、未知の情報(=知らないこと/わかっていないこと)なのか、その違いによる使い分けです。

<例文1:既知の情報の場合>
小林さん学生です。

<例文2:未知の情報の場合>
小林さん学生です。

例文1は、書き手が小林さんのことを知っている状態(=既知の情報)です。そのため、助詞に「は」を用いました。一方、例文2は、学生が誰であるのか知らない状態(=未知の情報)なので、助詞には「が」を用いました。

少し別の角度から説明をしましょう。例文1は「小林さん(という既知の人)の立場は何ですか?」の答えであり、例文2は「学生(未知の人)はどなたですか?」の答えです。このように、文章の裏に隠れている質問を考えてみると、その文章の主格が「既知の情報」か「未知の情報」か、を見極めることができます。

ちなみに、結果的に例文1は述語(「学生です」)を、例文2は主語(「小林さんが」)を強調する文章になっています。どちらも、“読者が知りたい情報”に光を当てた文章と言えます。

「対比」か? 「排他」か?

2つめは、その文章が「対比」を表すものなのか、「排他」を表すものなのか、その違いで使い分ける方法です。対比の意味なら「は」を、排他の意味なら「が」を使います。

<例文3>
山本君文化祭委員長で、清水君生徒会長だ。

<例文4>
清水くん生徒会長だ。

例文3は、清水君と山本君を対比しているので、助詞に「は」を用いています。一方で例文4の場合は、“(他の誰でもなく)清水くんが生徒会長である”という、清水くん以外を履い排他するという意味で「が」を用いています。

「判断文」か? 「現象文」か?

3つめは、「判断文」か「現象文」かの違いによる使い分けです。判断文とは、書き手の主観に基づいて判断を加えて表現する文章のことです。判断文の主格には「は」を用います。

一方、現象文とは、書き手の主観に基づく判断を避け、ありのままのの現象(出来事、状態など)を表現する文章のことです。現象文の主格には「が」を用います。

<例文5>
お酒苦手だ。

<例文6>
お酒運ばれてくる。

例文3は書き手自身の「苦手である」という判断を含む文章であり、例文4は目の前の現象をありのままに表現した文章です。書き手の主観的な意見や考えを含む時は判断文として書き、誰の目にも明らかな事実を記すときは現象文として書きます。

もっとも、本稿でお伝えした「は」と「が」の使い分け基準は “絶対のルール”ではありません。「は」と「が」で迷ったときは、これらの基準を参考にしながら、ニュアンスも含めてどちらがその文章にふさわしいか、丁寧に比較検討しましょう。「この助詞だとしっくりこない」という違和感に気づくセンスを磨くことが肝心です。

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そもそも文章ってどう書けばいいんですか?

「文章を書くことがストレス」「書くのに時間がかかりすぎる」「そもそも頭のなかにあることを文章にできない」……本書はそうした「文章アレルギー」のある人たちに、マンガを織り交ぜながら、わかりやすく文章の書き方をレクチャーしていきます。

著者:山口拓朗

価格:¥1,400-(税別)

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