実務よろず相談室

本コラムは日本実業出版社が発行、エヌ・ジェイ出版販売株式会社が販売する企業向け直販月刊誌「企業実務」内に掲載されているコラムを転載したものです。

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著者プロフィール

月刊「企業実務」は、総務・経理・人事といったスタッフ部門が抱える日常業務についての諸問題をわかりやすく解説・アドバイスするビジネス実務誌です。

1962年の創刊以来理論より実践を重んじ、仕事をすすめるうえで必要な実務情報や具体的な処理の仕方を正確かつわかりやすく、タイムリーにお届けしている本誌は、経理・税務・庶務・労務の事務一切を凝縮した、“すぐに役立つ専門誌”として好評を博しています。

会社の実務相談 「外注先への支払いサイトの延長/社長の代理で記念式典に出席」

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2018/11/22 11:31

(photo by maru54/fotolia)

企業の経理・総務担当者が職場で直面する、規定集・法規集などに答えが見当たらない疑問、状況がレアケースすぎてそのまま規定を当てはめていいのかどうか迷う悩みに、プロの実務家・専門家が答えます!

※本コラムの内容について※
本コラムは、月刊「企業実務」内で連載されている同名の連載を再編集したものであり、関連法規・規定等については公開時点のものに準拠しています。

今回の実務相談

Q.外注先への支払サイトを伸ばしたいが、信用不安を招かない方法は

従業員50名の製造加工業の経理部長です。引き合いが多い一方、仕入のための一時的な資金不足が懸念される状態です。そこで外注先に自社の支払サイトを伸ばしてもらいたいのですが、信用不安を招かないか心配です。

A.安心材料をいかに示すか(回答者:中小企業診断士 高澤彰)

貴社は引き合いが多い一方で需要拡大に伴う一時的な資金不足が懸念されるとのことですが、たしかに企業が拡大の過程で一時的に資金ショートを起こす、という事態は珍しくありません。そこで支払サイトの延長というのはひとつの手ではあります。

ただし外注先としては当然、そうした要請があれば、「支払いは本当に大丈夫か」という疑念をもつことになります。1回限りのお願いなのか、継続的に取引を続けていきたいかで打つ手は変わってきます。

安心材料をいかに示すか

今後も継続的に取引を続けたいが、支払サイトを伸ばしてもらいたいというのであれば、外注先が大丈夫だと思えるよう、安心できるような材料を用意して交渉することです。

少し先にはなるものの、信用できる取引先からの入金の予定があり、焦げ付く心配はない。今後とも仕事を回していきたいから、成長のために資金繰りでつまずかないように状況を整備したい、ということを説明し、いかに理解してもらうかです。

そのためには具体的な数字を示すのがいちばんです。

希望条件を文書にまとめる

そこで、依頼の意図と条件を下図のような文書にまとめてお願いするとよいでしょう。差出人名は社長にして、会社からの正式な依頼であるという形をとります。

(企業実務 17年5月号より引用)

参考資料として売上推移についての具体的な数字等も掲載しておくと、外注先にとっての安心材料になります。また、支払サイトを延長すれば、仕入先の資金繰りにも影響を及ぼすなどの迷惑をかけることになります。

そのため、サイトを延長する期間に応じた金利については自社が負担するといった施策も検討すべきでしょう。そうした代替条件も、文書に盛り込んでおくと、「言った、言わない」という事態になることが防げます(企業実務 17年5月号より転載)。

回答者プロフィール:たかざわ・しょう

有限会社タカザワ企画代表取締役。機械要素品卸売業の営業を経て経営・セールスコンサルタントとして独立。一般社団法人埼玉県中小企業診断協会会長等も務める。


Q.社長の代理で取引先の周年記念式典に出席する際の心得

従業員40名の通信販売業の総務課長です。創業10周年を迎える取引先の周年記念式典が高級ホテルで開かれることになり、社長の代理として出席します。祝儀など準備すべきことを教えていただけると助かります。

会社の代表としての役割を果たす(回答者:トータルマナー株式会社代表取締役 田野直美)

お祝いの品かご祝儀かはどちらかひとつでよいでしょう。品物の場合、胡蝶蘭・祝樽などが一般的で、のしや立て札を付けて送ります。のしや立て札で社名がわかる贈り物は、受け取る側・贈る側の双方にメリットがあります。受け取る側は「付き合いの広さ」を、贈る側は「受け取る会社と付き合いがある」ことがアピールできます。

ご祝儀の場合の金額は、付き合いの深さや会社規模にもよりますが、一般的な取引先に対しては3万円、重要な取引先に対しては5万円が目安です。品物として何を贈るかや、ご祝儀の金額をいくらにするかは、過去に同様のお祝いをしたときの記録を調べ、社長と相談して決めるとよいでしょう。

表書きの注意点

メッセージや表書きを書く際に、「創立」と「設立」を書き間違えないようにします。創立=事業開始日で「個人事業」、または、「法人(会社)」でスタートします。設立=会社を登記した日を指し、法人でのスタート日です。このため、一口に周年記念といっても、「創立35周年で、設立は30周年の場合」などがありますので、確認してください。

会社の代表としての役割を果たす

当日の服装について、特にドレスコードなどが記されていない場合、男性はダークスーツを着用するとよいでしょう。女性の場合もスーツが無難です。一般的なパーティではフォーマルなワンピースがよいのですが、式典ですので露出の多い服装はNGです。

また意外とうっかりしがちですが、靴などは前日にしっかり磨いておくのもマナーです。汚れた靴で会場に入ることは失礼です。会場到着後、主催者である取引先の社長に、次のようなお祝いの言葉を述べます。

「○○周年をお迎えになりおめでとうございます。本来なら弊社の○○(社長)がお伺いし、ご挨拶を申し上げるべきですが、やむを得ない所用がございまして失礼をしております。くれぐれもよろしくと申しておりました」

そのほかの取引先の方にも、挨拶するときは「おめでとうございます」とお祝いの言葉を添えましょう。また、会社を代表して参加しているわけですから、パーティでの立ち居振る舞いには気をつけなければなりません。

周年記念パーティの場合、ほとんどが立食です。そのため席に座って食事をするスタイルよりもラフなイメージではありますが、立食形式にもマナーはあります。特に次の点に注意しましょう。

  • 参加者相互の紹介、会話により面識を深めることを主とし、飲食は従となる。積極的に他企業の方とも交流を図る
  • 名刺は、なるべく多く準備し、すぐに出せるようにしておく
  • 料理はフルコースの順で取っていく(オードブル→魚料理→肉料理、サラダ→デザート類)
  • メインテーブルから皿にとるのは、3〜4種類。一度に山盛りにとるのはタブー
  • 立食スタイルとはいえ歩きながら食べるのはマナー違反。食べたいものをお皿に取ったら、いったんテーブルまで戻り、食事を楽しむ

(企業実務 17年5月号より転載)。

回答者プロフィール:たの・なおみ

1982年関西作法会を設立、会長に就任。1998年トータルマナー株式会社設立。一般企業、医療機関・福祉施設、大学・専門学校などでのマナー研修は好評を博している。

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