アナウンサー・渡辺由佳が解説「こんなときどう言う?」

「私の言うことって、どうしてうまく伝わらないのだろう」
「あのとき言ったことで、なぜムッとされたのだろう」
言葉は、自分が思っていた通りに受け取られないもの。「それを適切に言い換えるとすれば?」というテーマで好評を博したコラムがリニューアル!

職場に限らず、日常会話でもよくある「こんなときどう言えばいい?」という疑問の答えを、テレビ朝日を退社後、フリーアナウンサーや話し方講座の講師として活躍する渡辺由佳氏が解説します!
(毎月第2・4水曜日更新予定)

著者プロフィール

渡辺由佳(わたなべ・ゆか)

1964年、東京都生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。テレビ朝日にアナウンサーとして入社。報道から社会情報番組まで多数の人気番組を担当。1993年に独立。以後、フリーアナウンサー、話し方講師としての活動を始め、テレビ朝日アナウンサースクールやシェリロゼ(自分磨きスクール)で指導を行なうほか、「ビジネスマナー」「コミュニケーション」「ビジネスメール」をテーマに企業向けのセミナー講師も務める。2016年より大妻女子大学文学部非常勤講師を務める。

著書に、『会話力の基本』(日本実業出版社)、『スラスラ話せる敬語入門』『サクサク書けるビジネスメール入門』(以上、かんき出版)、『気の利いた「ひと言」辞典』(講談社)などがある。

ブログ:渡辺由佳の素敵なことば探し
http://ameblo.jp/sutekinakotoba/

信頼関係を傷つけない間違いの指摘のしかた

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2018/08/17 11:02

相手の間違いを見つけたとき、「これ違ってるだろ!」「この数字間違ってますよ!」と鬼の首をとったように声高に指摘する人がいます。そんなとき、その間違いを指摘した人の人格を疑いたくなることはありませんか。

【改善前】

この数字間違ってますよ。

【改善後】

私のお伝えの仕方が悪かったかもしれませんが、こちらの数字をいま一度、ご確認いただけますか。

指摘のしかたは人柄を表わす

仕事をするうえで、間違いは誰にでも起こり得るものです。たとえば、部下に頼んだ資料が自分の意図したものと違っていたとき、「こんな資料、誰がつくれと言った?」というような言い方をすると、たとえ部下に非があったとしても「そんなこと言ったって、そっちの説明の仕方が悪いんだろう」と逆恨みされてしまうかもしれません。

それは、間違いを指摘するときの言い方に日ごろ、どれだけ相手を思いやった仕事をしているのかが、透けて見えてしまうからです。

指摘するときの2つのポイント

相手に非があるときほど、言葉選びは大切になってきます。部下の間違いを指摘するなら、「説明の仕方が悪かったかもしれないけれど、もっと○○にして至急、つくり直してもらえるかな」。

取引先に数字の間違いを指摘するなら、「私のお伝えの仕方が悪かったかもしれませんが、こちらの数字をいま一度、ご確認いただけますか」。これらの言い方に共通しているポイントは2つです。

  1. 間違いをダイレクトに指摘して相手を責めない
  2. 責任の一端を自分も引き受ける

いつもこの2つのポイントに配慮した言い方をしていると、相手は誰しも「間違って申し訳なかった」と素直に自分の非を認め、すぐに対処してくれるでしょう。もちろん、その後の信頼関係もより良好なものとなるはずです。


本連載は、企業の総務・経理・人事向け月刊専門情報誌「企業実務」から一部編集のうえ転載したものです。ご購読・見本誌をご希望、お問い合わせにつきましては下記バナーをクリックしてください(関連会社のサイトに遷移します)。

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