業界が一変する BIM建設革命

発売日 2009.01.21
著者 山梨知彦
判型 A5判/並製
ページ数 248
ISBN 978-4-534-04499-0
価格 ¥2,200(税込)

BIM(ビム)の登場は建築界にとって本格的なIT革命の到来である。3次元のビジュアル化された設計図に建築情報を加え、クライアント・設計者・施工者が情報を共有化するシステムであるBIM。真にIT化することによって建築ビジネスはどう変わるのか。

≪章立て≫
序章 日本の建築ビジネス界の問題点
第1章 3次元化する建築ビジネス
第2章 BIM化の背景と導入のメリット
第3章 BIMの定義と運用プロセス
第4章 なぜ世界でBIMが必要とされているか
第5章 BIMが先導する世界の状況
第6章 BIMで生まれ変わる日本の建築ビジネス
終章 改革する建築ビジネスの世界

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詳細

はじめに

 BIMショック

  ◎日本での3次元CADの動き

  ◎BIMとの衝撃的な出会い

  ◎変貌するアメリカの建築ビジネス

  ◎日本の建築ビジネスをどう救うか

序章 日本の建築ビジネス界の問題点

  ◎耐震強度偽装問題と設計・審査・施工のミス

  ◎ミスを生む原因は何か

  ◎プロジェクトの長期化と遅延の問題

  ◎クライアントに不透明なコストとプライス

  ◎崩壊するゼネコンへの信頼

  ◎構造的低収益性の原因はどこにあるか

第1章 3次元化する建築ビジネス

 2次元の限界と3次元の可能性

  ◎2次元の図面はわかりづらい

  ◎クライアントに「わかりやすく」見せる

  ◎3次元設計の起源はルネッサンス時代にあった

  ◎3次元+αの情報が開く可能性

  ◎「茶室」で使われてきた立体的設計手法

 3次元の総合図による建設シミュレーション

  ◎3次元の総合図の有効性

  ◎時間軸をもった施工シミュレーション

 クライアント・設計者・施工者の相互関係の変革

  ◎共通の利害とプラットフォーム

  ◎ランニングコストは建設費の3倍

 BIMの登場

  ◎BIMがもたらす真のIT化

  ◎建築ビジネスの変革

第2章 BIM化の背景と導入のメリット

 自動車業界に見る3次元設計から生産に至る変革

  ◎コンカレント・エンジニアリングとデジタル・モックアップ

  ◎世界標準との連携

 建築ビジネス界における情報化

  ◎電子情報化CALS/ECと現状

  ◎機能しないCALS/EC

  ◎CALS/ECが普及しなかった4つの原因

  ◎データの標準化を進めるIAIとIFC

 そしてBIMへ

  ◎BIMの具体的な機能

  ◎BIMが統合する建築情報

  ◎3次元情報を活かしたシミュレーション

  ◎3次元で干渉をチェックできる

  ◎BIMの長所と特徴

  ◎ライフサイクルでのコスト抑制効果

第3章 BIMの定義と運用プロセス

 クライアント・設計者・施工者の新しい関係

  ◎利害関係者の協力体制

  ◎BIMの日本への導入

 BIMの定義とは

  ◎BIMの本質は建築情報データベース

  ◎多様性に富むBIMの定義

 建設する前に「建築物」を作る:BIMの特徴

  ◎仮想の建築物を作る

  ◎設計段階の重要性

  ◎データベースの活用法

  ◎施工・施設の維持管理での有用性

 見えると物事は簡単になる:BIMの可能性

  ◎周知を集める「見える化」

  ◎BIMの7つの長所

第4章 なぜ世界でBIMが必要とされているか

 進化する建設業界の枠組み

  ◎アメリカの建築ビジネスの状況

  ◎統合と多様化の時代

  ◎工事発注方式の統合と多様化

  ◎コンストラクション・マネジメント(CM)方式

  ◎デザインビルド(DB)方式

  ◎PFI(Private Finance Initiative)方式

  ◎IPD(インティグレイテッド・プロジェクト・デリバリー)方式

 建築ビジネスが直面する問題

  ◎グローバル化における多様化と統合

  ◎環境問題における多様化と統合

  ◎環境評価基準のいろいろ

  ◎電子データの標準化に向けての動き

 日本の建築ビジネスにおけるIT化の状況

  ◎2次元CADの利用状況

  ◎3次元の実践と可能性

  ◎コストの透明性の追求

  ◎大型開発における環境レーティングの位置づけの変化

第5章 BIMが先導する世界の状況

 アメリカのBIM状況

  ◎クライアントが推進するBIM

  ◎設計事務所が推進するBIM

  ◎実験型のBIMストーム

 BIMで使われている主要ソフトウェア

  ◎ソフトウェアベンダーの動き

  ◎オープンスタンダードという考え方

  ◎BIMのプラットフォーム

  ◎BIMの標準化の流れ

  ◎AIAにおけるBIMの位置づけ

 ヨーロッパのBIM状況

  ◎ヨーロッパでのBIMの動き

  ◎アメリカとのアプローチの違い

  ◎ヨーロッパのソフトウェア動向

 アジアのBIM状況

  ◎シンガポールのIT化戦略

  ◎その他のアジア諸国の動き

 デザインツールとしてのBIM

  ◎大桟橋国際客船ターミナル

  ◎フランク・O・ゲーリー

  ◎ゲーリー・テクノロジー社

  ◎アルゴリスム系デザイン

  ◎デジタル・クラフトマンシップ

 日本のプロジェクトを見る

  ◎日本の建築の最先端

  ◎神保町シアタービル

  ◎乃村工藝社本社ビル

  ◎木材会館

  ◎今、実現できるBIM環境の構築

第6章 BIMで生まれ変わる日本の建築ビジネス

 BIMは日本の建築ビジネスの何を変えるのか?

  ◎BIMがもたらす変化

  ◎誰がBIMを担うのか?

  ◎仕事と責任範囲に関わる変革

  ◎関係者の相互関係の変化

  ◎アメリカ型IPDの問題点

 BIMによって登場する新しい職能

  ◎「環境設計」の登場

  ◎メーカー・専門工事業者の変革

  ◎ファシリティ・マネジメントおよび家具業界

  ◎eコマースでの新規参入

  ◎サービスプロバイダの登場

  ◎電子申請でのビジネスチャンス

  ◎保険料の算出法が変わる!?

 日本のIT化の推進母体と企業のチャレンジ

  ◎JACIC(ジャシック)

  ◎IAI日本

  ◎ゼネコンや設計事務所のチャレンジ

  ◎鹿島建設のチャレンジ

  ◎前田建設工業のチャレンジ

  ◎大成建設のチャレンジ

  ◎住宅メーカーのチャレンジ

  ◎設計事務所のチャレンジ

  ◎BIM推進の上での日本での問題点

終章 改革する建築ビジネスの世界

 BIMが描く建築ビジネス改革のシナリオ

  ◎建築ビジネス全体への不信感の解消

  ◎設計や施工の不整合やミスの根絶

  ◎設計から施工プロセスの改善によるスケジュールの前倒し

  ◎リアルタイムの積算で、コストの透明化を図る

  ◎構造的低収益性の改善

  ◎国際化するマーケット

  ◎建築ビジネスへのサードパーティの参入

  ◎さらなる建築ビジネスへの参入者

  ◎BIMが建築ビジネス界の構図を変える

おわりに

 BIMへの期待と5つの要望

  ◎BIMが本格的にやってきた

  ◎BIMに関する情報源

  ◎BIMの今後への期待

著者プロフィール

山梨知彦

やまなし・ともひこ
1960年、横浜生まれ。(株)日建設計・東京設計室長。設計部門副代表。1984年、東京芸術大学美術学部建築科卒業。86年、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻(修士課程修了)。工学修士。一級建築士。JIA登録建築家。1986年、日建設計に入社。オフィス、集合住宅、学校等の設計に携わる。BCS賞、東京建築賞、日本建築士会連合会賞、中部建築賞など多数受賞。著書として『GoogleSketchUpスーパーマニュアル』『BIM建設革命』(日本実業出版社)がある。

関連書籍

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