1.努力とは、精神論でなく、方法論である
2.努力とは、才能でなく、環境に依存する
3.努力とは、結果でなく、過程である
4.努力とは、楽しむものではなく、単なる習慣である
5.努力とは、達成感ではなく、学習感である。
6.努力とは、信仰である。
 (「努力できる人たち」は一体何がちがうのか。その6つの違い。 Books&Apps内記事より)

安達:例えば身近な話でダイエットを継続するとなると、そのためにはどういう方法があるのかの方法論を考える必要があります。たとえばお金を払うことで継続できるからジムに通うのか、友達と切磋琢磨する方が良いのか、それを早く見つけることです。
「辛くても頑張る! 頑張ることが大事なんだ!」といった精神論では努力は続かないです。

また、才能でなく、環境に依存するというのもあります。例えば周りの人が勉強する環境にいると自分も勉強しますよね。自分だけ勉強しないというのは逆に勇気がいる(笑)
周りが東大を受験する人ばかりだと、東大を受験することが当然になりますが、そうではないと東大を受けるなんて……と最初から諦めてしまいます。だから、チャレンジするかどうかも環境に大きく依存すると思います。ということは、裏を返せば環境さえ変えれば、なにかできてしまう可能性がみえてくる。ですので、集まりに参加してみたり、だれかその分野に詳しい人に会いに行ってみたりと環境をかえることは大切です。本を読みたいなと考えている人は、とりあえず本を買えば良いんです。

日実:テレビを捨てて、携帯も遮断する環境を作れば、本を読むしかないってなりますね(笑)

安達:そうです。できる人は環境へ働きかけるのが上手い。社内で自分の頑張ることができる環境を作っちゃうんですよ。狭い空間だけど、机のスペースを使いやすく整理整頓したり……。

後は、「結果でなく、過程である」ですね。スティーブ・ジョブズも似たような発言で「旅こそが報い」と言っているんです。どういうことかと言うと、旅のゴールが報酬ではなく、過程(道のり)が報いであると言う意味です。結局、目的のために道中があるのですが、至るまでの過程が面白いということです。実際、努力というのは到達点を決めて過程をいかに楽しむかというのが本質です。
努力は、していないと不安になるという側面もあって……暇なのが一番耐えられない。努力していることによって、生きている実感が生まれます。

日実:結果ではなく、過程だと考えると、目の前のことを頑張れば良いんだと思って、心が軽くなりますね。

安達:また、努力は理想としては楽しいにこしたことはないのですが、単なる習慣なのだとも言えます。自分もブログを毎日書いてると、なんで俺こんなことやってるんだろうと、すごくつらい時もあったり(笑)

けれども、ある程度、習慣化されてくると、いつも通りのことをちゃんとやろうとなってくるので、楽しさや面白さを過度に期待しない方がいいかもしれません。楽しいこともありますというぐらい。結果がでる時もあるし、結果がでない時もあるし。
達成感のために努力をする、と考えていると、達成感を得られなかった時点でやめてしまいます。例えばダイエットだったら、なかなか、すぐに結果が得られる訳もないですし、減量したと思ったらリバウンドしたり。そんな時、この方法だったから失敗したんだな、失敗したけどこのやり方はダメだということを学習していくことが大事ですね。
努力の結果として得られたものを、失敗ではなく経験として得ることが大切です。

努力は報われていない人からすれば、努力教でしょなんて言われるかもしれません。その通り、努力教だよって最後に言います。
努力教はどのように成果をだすかではなくて、どのように楽しく生きられるかを目標として努力するんですね。それが、私が考える仕事ができる人のイメージです。

もちろん、人生は長いので、努力をせずに成功したと言う時もあるかもしれません、けれどそれは宝くじに当たったようなもので何度もないはずです。継続させるには、やはり努力をすべき所で、努力し続けることが不可欠です。

「仕事のやりがい」について悩む働く人へのメッセージ

日実:ありがとうございます。最後に読者の方へ何かメッセージをいただけますか?

安達:まず、やりがいなんていらない人も居ると思います。
ですので、やりがいが欲しい人にお伝えするという形になるんですが……、仕事をしている時間は長い。1日に8時間、週40時間、それだけ使うんだったら面白く使う方が良いですよね。そう考えることが、出発点だと思うんです。

現状を踏まえたうえで、結果は置いておいて、過程に注力する。仕事をすることそのものに楽しみを見出す方が、建設的ではないでしょうか。ぜひ、過程を楽しむということをやってみて欲しいと思います。それには努力しなければいけないというのが必ずついてまわるので、もちろん結果として徒労に終わるかもしれません。しかし仕事を面白くするというのは結果にかかわらず、工夫次第でできることなので、まずやってみてはどうでしょう?

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安達裕哉(あだち・ゆうや)

経営・人事・ITコンサルタント。ティネクト株式会社代表取締役。
1975年東京都生まれ。筑波大学環境科学研究科修了。世界4大会計事務所の1つである、Deloitteに入社し、12年間経営コンサルティングに従事。在職中、社内ベンチャーであるトーマツイノベーション株式会社の立ち上げに参画。東京支社長、大阪支社長を歴任。1000社以上の大企業、中小企業にIT・人事のアドバイザリーサービスを提供し、8000人以上のビジネスパーソンに会う。また、セミナーは、のべ500回以上行う。その後、起業。自身の運営するブログBooks&Appsは読者100万人、月間PV数150万にのぼり、世界最大級のインターネット新聞「ハフィントン・ポスト」のブロガーでもある。