ねぎまがあるお店は、冷凍品でない可能性が高まります。なぜなら、ねぎまに使われるネギは冷凍に不向き。だから、冷凍品はまずありません。ねぎまは自店で刺すしかないのです。したがって、ねぎまがあるお店なら、安全で安心して食べることができるわけです。一方、ねぎまがなくて鳥肉の大きさも形も見事に同じ焼き鳥が出てきたこら、そのお店は残念なお店ということになります。

加えて、焼き鳥は塩で注文するといいでしょう。塩で食べると肉の素材の味がよくわかります。もし、使われている塩にいわゆる「カド」が立っていれば、安い精製塩です。良い塩は、意外に高価ですから、塩にはお店の姿勢が出るのです。

ねぎまの次は、「レバー」です。レバーに塩味があれば新鮮な証拠です。レバーは特に鮮度に差が出るので、レバーにタレ味しかなければ、タレでごまかさなければいけないほど、鮮度に自信がないということになります。

また、お店で焼くところを覗いてみてください。角が立たずに全体的にヘナッとしていれば、その肉は鮮度の悪い古い鳥肉と言えます。新鮮な鳥肉は、張りがあって角がピンと立っています。

鳥肉は牛肉、豚肉とはちょっと違います。牛・豚はそれぞれ一定の熟成期間を経て、美味しくなりますが、鳥は絞めてから12時間後から翌日ぐらいまでが美味しいのです。

やっぱり生ビールをチェック

生ビールは居酒屋の価格のバロメーターです。言ってみれば、メーカーの違いだけで、各店で同じ商品をあからさまに販売している唯一のメニューだからです。

(photo by photoac)
ドリンクは同じものを売ってるからこそ、店の差が顕著に表れる(photo by photoac)

生ビールの評価基準は、「価格」「量」「味」の3つです。価格と量はバランスで判断しますが、中ジョッキで、だいたい430~480mlです。当然価格がいくら安くても、中身の量が少なければ仕方ありません。430mlで430円より、480mlで450円のほうが実質安くてお得です。しかも、ジョッキの型がわかりづらいので、パッと見、量がわかりません。

飲食店では、料理メニューはかなりお店によって違いがあるのですが、ドリンクメニューはなぜかあまり代わり映えしません。洋食系居酒屋でも和食系居酒屋でも、生ビールやサワー、カクテル、ワインと多少の割合は違っても、商品群は変わりませんし、カクテルのつくり方も、カクテルの素を混ぜてつくるだけという状況です。

しかも、ドリンクの原価率は低く、お店にとっては稼げるメニューですので、できる限り一杯の量を減らして注文回数を増やしたいと思っているのです。グラスの容量と、氷の量でごまかすことも当たり前。グラスに少々飲み物が残っていたとしても追加オーダーをとって、“残量を破棄”なんてこともあからさまに考えているのです。

さて、生ビールの銘柄ですが、好き嫌いの問題は別にして、どこのメーカーのものかというのが結構重要です。特に、お店側としては生ビールにもブランド力を求めています。

実は、飲食業界では、まずビールメーカーを決めます。飲食業界では、1店舗1ブランドというルールがまだ一般的です。では、ビールだけをそのメーカーから仕入れればよいのかと言うと、そうではなくて、それぞれの酒類やその他のソフトドリンクなどもそのメーカーや系列のメーカーが扱っている商品を使用しないといけません。

その代わり、お店には協賛という形で見返りがあります。この見返り欲しさのために、ドリンクは縛られてしまっています。ですから、居酒屋でビールメーカーはどこでも良いのではなく、一緒にワインやハードリキュールを考慮して、ビール会社を選んでいることを認識すべきなのです。