• カテゴリ1:いわゆる添乗員付きの団体ツアー客。
  • カテゴリ2:旅行会社の実店舗経由で旅行の計画を練り、各種手配を行なう個人旅行客(リアルFIT)
  • カテゴリ3:インターネットを積極的に駆使して、旅行の準備を行なう個人旅行客(ネットFIT)

小野氏によると、東アジア人(とくに2~3年ほど前までの中国人)は団体ツアーで訪日する割合が高く、欧米からの観光客は主にリアルFITとしての観光が多かったそうです。

そして、現在割合が急拡大中なのが、カテゴリ3の「ネットFIT」と呼ばれる人たちです。

ネットFITとは?

インターネットの普及に伴い、個人旅行を楽しむハードルは格段に低くなりました。国内でも「じゃらん」「楽天トラベル」など、OTA(Online Travel Agent、インターネット上だけで取引を行なう旅行会社)経由で手配する観光客が大幅に増加していますが、この流れは世界においても同じです。

その背景について、小野氏は以下のように語っています。

急速なネットFIT化が促がされたのは、主に2つの要因によります。1つは日本の観光に関するネット上での情報量が増大し個人旅行手段が多極化したこと、もう1つは自由な旅行を求める訪日リピーター層の増加です。

この流れの一例をたどってみますと、もともと団体旅行がきっかけで日本のファンになった人が(カテゴリ1)、より自由度の高い2回目、3回目は個人旅行客として訪日するようになり(カテゴリ2)、そのうちインターネットで観光情報が手に入るようになると、航空券、宿泊の予約をネットで自由に行うようになった、という形になります(カテゴリ3)。

そしていまやスマートフォンと指1本でほぼすべての旅程作成ができるようになったので、こうした流れはますます加速していくでしょう

(『ネット活用でここまで変わる! 外国人観光客を呼び込む方法』p.17-19より)

おさえておくべき「海外OTA」は?

先にも書いたとおり、世界においてもOTAを利用した個人旅行が主流になりつつあります。では、どこをおさえておけばいいのでしょうか?

現在(2016年1月時点)において、世界三大OTAといえば「ブッキング」「アゴダ」「エクスペディア」が挙げられます。そのほかには、ドミトリー(相部屋を前提とした部屋)主体のゲストハウスを中心に取り扱っている「ホステルワールド」、中国発の「シートリップ」など、さまざまなサイトがあります。とくに宿泊業者においては、世界で利用されているOTAを使って効率的に集客をしていくことが、インバウンド対策として何よりも重要になります。

各OTAの特徴を比較すると、以下の表のようになります(画像をクリックで拡大可能)。

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(『ネット活用でここまで変わる! 外国人観光客を呼び込む方法』p.22-23より) ※画像をクリックで拡大

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