なにかおかしいけど具体的にどこを直せばいいかというと……意外に難しいのでは?

解答例&解説 Part2

問題4.

解答例) 私の田舎は自然溢れている。

ポイント:「てにをは」には間違えやすい種類がある【的確に書く】

「てにをは」の使い方に自信がない! という人は多いのではないでしょうか。「てにをは」(助詞)には、人と人、人と物、物と物の関係を示したり、書き手の心情や言葉のニュアンスを示したりする重要な役割がありますので、誤用は避けたいですね。
しかし、よく見られる誤用は特定の助詞に集中しています。間違えやすい助詞を頭に入れておき、それを使う時に注意すればいいのです。
最も多いのが、上の問題のような「に」と「で」の逆転です。「に」はまた、「を」や「の」とも間違えやすい助詞です。

例文1. ×台風が東海地方直撃しました。 ○台風が東海地方直撃しました。
例文2. ×これは魅力尽きない山です。 ○これは魅力尽きない山です。

このほかにも、「が」と「に」、「を」と「が」、「で」と「を」に逆転現象が多くみられるので、注意しましょう。

問題5.

解答例) 私は今(それほど)夢中になれるものがないので、スポーツや音楽などに夢中になっている人を見るとうらやましいと思う。

ポイント:新しい「話し言葉」は使わない【話し言葉の影響を避ける】

問題文の「そこまで」は最近の話し言葉です。変えるとすれば「それほど」ですが、削除してもいいでしょう。
話し言葉には次々に新しい表現が生まれ、そのいくつかは定着し、やがて書き言葉にも進出します。しかし、生み出されたばかりの話し言葉を書き言葉として使ってしまうと強い違和感の原因となります。

例文3. ×今回の転職については、すごい迷いました。 ○今回の転職については、すごく迷いました。

そのように使われがちな話し言葉を、表現の種類に分けて例示します。これから少し注意を向けてみてください。

【短縮表現】文頭の「結果、」「正直、」「基本、」「なので、」など。「読んでいる途中」を「読み途中」とするなど。

【逃げ腰表現】「かな」「みたい」「感じ」「とか」「たり」「的には」「部分」など。

【ずらし表現】副詞「すごく」の代わりに、形容詞「すごい」を使う。年齢を意味する「個」、友人を指す「子」、凝る、好きになるという意味の「はまる」「癖になる」、注目するという意味の「気になる」、「それほど」という意味の「そこまで」など。 


「文章を書くのが苦手、と言う人ほど、書くことを難しく考えて、使い慣れない言葉を無理して使ったり、長々と込み入った文章を書いたりして、ますます苦手意識を募らせています」と『文章力の基本の基本』の著者、阿部紘久氏は述べています。

文章は、読み手のことを考えて、できるだけ分かりやすく、シンプルに書くことが重要です。

次に文章を書くときには、以上5つの「基本の基本」に、少しだけ注意してみてください。