では早速、解答例と解説をどうぞ!

解答例&解説 Part1

問題1.

解答例) その先輩には、仕事のイロハから指導を受け、個人的な相談にも乗ってもらっていた。

ポイント:述語の共用にご用心【文の基本形をしっかり作る】

日本語は「述語中心主義」と呼ばれるくらい、述語が大切です。主語や目的語を適切な述語で受けないと、正しい文章になりません。
問題文にある「相談」は「乗ってもらう」ものですが、「指導」は「受ける」ものです。このように述語を共有するときは特に、それが適切なものかどうかを見直すことをおすすめします。
たとえば、「海や山を眺める」は適切な表現ですが、「海や山に登る」とは言いません。「海で泳ぎ、山に登る」と書き分ける必要があります。

問題2.

解答例) 昆虫の数が激減している原因は、私たち人間にある。

ポイント:言葉の重複は避ける【簡潔に書く】

「読み手に丁寧に」と気を使いすぎると、かえって文章が複雑になりがちです。
問題文の「原因」と「~のせい」は意味が重複しています。読み手は、同じ話しを何度も聞かされることを嫌います。簡潔な文章を書くためには、まずは重複を避けるべきです。
その後、無駄な言葉を一語でも多く削って、できるだけシンプルな文章にするのが良いでしょう。

問題3.

解答例) 我が家の長女は毎日家事に励む働き者であるだけでなく、妹想いでもある。

ポイント:主役は早く登場させよう【分かりやすく書く】

読み手は当然ながら、その文章が「誰の」「何の」話なのかをまったく知りません。書き手はそれをつい忘れてしまい、自分のペースで話を進めてしまいがちです。
主役がわからない宙ぶらりんの状態を少しでも早く解消してあげることで、読み手を自然に惹きつけることができます。
下の例文のように少し長めの文章の場合、より違いがはっきりします。

例文1.
◆原文) 何でも美味しそうに食べて、嬉しそうに笑えばエクボができて、愛嬌たっぷりにふるまう娘を見ると、元気になったのだとホッとしました。
◇改善案) 娘が何でも美味しそうに食べて、嬉しそうに笑えばエクボができて、愛嬌たっぷりにふるまうのを見て、元気になったのだとホッとしました。

改善案の方が、読み手に親切なのがわかります。   


 

残り2題です。一見問題なさそうですが、どこか違和感を感じませんか? 直すべき箇所はどこでしょうか?

ここからはノーヒントで!

問題4. 私の田舎は自然で溢れている。

問題5. 私は今そこまで夢中になれるものがないので、スポーツや音楽などに夢中になっている人を見るとうらやましいと思う。

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