日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

2026/09/29 10:26

先日、上高地に行く予定にしていたのだが、おりからの台風で中央本線が始発から運休となり断念。せっかく予定を開けていたので急きょ宮城県の秋保温泉に行って来た。秋保温泉は仙台奥座敷といわれる温泉地で、仙台駅前には各ホテルの送迎バスが立ち並ぶ。市内とはいえ、仙台駅からは45分ほどかかる。
秋保温泉の歴史は古い。6世紀頃、第29代欽明天皇が瘡症を患った際、勅使を遣わしてこの温泉をくみとらせて湯あみしたところ快癒した。そこで、「おぼつかな 雲のかよひぢ 見てしかな とりのみゆけば あとはかもなし」とみ、「名取御湯」と名付けらたという。天皇から「御湯(みゆ)」の称号を賜ったのは、「名取」(秋保温泉)と「信濃」(長野県別所温泉)、「犬養」(同野沢温泉)の3か所だけとされる。
江戸時代になると、伊達政宗の母が山形から仙台に移る途中に泊まったことが記録にある。やがて藩によって湯小屋が建てられ、政宗の他数人の藩主が秋保温泉を訪れている。そして、この温泉の湯守を世襲したのが佐藤家である。
佐藤家は平家落人の平基盛に従ってきた7人の侍の一人の末裔と伝えている。秋保温泉の仙台藩主湯浴御殿の湯守をつとめる一方宿屋を営み、さらに私有林を藩に献上して山守ともなった。文政年間に新たに4軒ができるまでは湯宿は佐藤家のみだった。
現在は「伝承千年の宿 佐勘」を経営している。泊まった旅館は違ったのだが、近かったので佐勘の前まで行ってみた。温泉街の各地から見える立派な「佐勘」と書かれた建物と、一転して重厚な雰囲気の入り口の老舗旅館である。因みに、温泉街のバス停は「佐勘前」。佐勘の入口の横に横付けされる。
