人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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「豊臣兄弟!」で黒幕とされた織田信澄とその子孫

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2026/07/14 10:32

画像はNHK公式サイトよりキャプチャ

12日の大河ドラマ「豊臣兄弟!」は本能寺の変だった。戦国時代を扱う以上、本能寺の変は最大の出来事である。この回はアバンタイトル(オープニング前の本編映像)がなく、いきなり本編が開始されるという演出で、いつもとは違うスタートとなった。

そもそも、なぜ明智光秀が突然本能寺を急襲して信長を襲ったかについては、はっきりとした理由はわかっていない。そのため、ドラマでも様々な説が取り上げられてきた。そうしたなか、今回の「豊臣兄弟!」では織田信澄を黒幕に据えるという斬新な展開となっていた。

織田信澄は信長に謀殺された弟信行の子で、これまではあまり目立たない存在であった。本能寺の変後、明智光秀の女婿であったために関係を疑われ、これを信じた丹羽長秀と織田信孝に攻められて大坂城の千貫櫓で討たれている。

そして事実無根にも関わらず信孝によって謀反人として梟首されるなど、不幸な人物というイメージであった。「兄弟」をテーマとしている今回のドラマでは信長・信行兄弟の関係性もしばしば登場しており、その延長戦上にある信澄黒幕説である。

ところで信澄は津田信澄といわれることが多い。実は信長の祖父信定の弟の秀敏の子孫も「津田」を名乗っている他、信長の弟信包の孫長相も「津田」を名乗って熊本藩士となっている。この他、鳥取藩家老の津田家も織田一族の出といい、織田氏の庶流は「津田」を名字とするという暗黙の了解があったらしい。

なお、信澄の長男昌澄はこの後藤堂高虎に仕え、大坂の陣では豊臣方として戦っている。しかし戦後家康によって許され、子孫は名字を「織田」に戻して高禄の旗本として存続した。

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