日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

2026/06/02 10:36

墨田区東向島にある向島百花園を訪れた。そろそろ初夏の花が咲いている思ったのだが、残念ながら春の花は終わり、初夏の花はまだ蕾という端境期にあたってしまった。それでも園内を回っていると、たくさんの四角形の未熟果をつけたマユミがあった。


マユミは全国に広く分布するニシキギ科の落葉広葉樹の低木で、強い上によくしなるため、古くから弓の材料として用いられた。そのため「マユミ」といわれ、漢字では「檀」とも「真弓」とも書いた。そして、マユミから作った弓も「まゆみ」といい、「檀弓」「真弓」と書いた。
さて、「真弓」は名字にもあり、三重県、福岡県、長崎県などに多い。このうち、福岡県の「真弓」は、後醍醐天皇の時代に紫宸殿に出た怪鳥を射たことで「真弓」の名字を賜ったと伝わっている。その後、懐良親王に従って筑後に下向し、現在も大牟田市に多い。
一方、三重県の「真弓」は、伊勢国飯高郡真弓御厨(現在の三重県松阪市)という地名をルーツとするものだろう。そして、その他にも「真弓」地名は意外と多い。マユミは広く分布しているうえ、矢の材料として重要だったことから、その自生地が「真弓」という地名になり、そこから「真弓」という名字も生まれたと考えられる。