『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんです。

この連載では、これまでライターとして数多くの取材・インタビューを経験した中から導き出した、「書くことが嫌い」を「書くことが好き」へと変える、文章作成のコツを教えてもらいます。

著者プロフィール

山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術——「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか多数。

決め手は掃除力!? 文章が上手な人の情報整理術

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2025/10/04 10:04

一生モノのスキルになる!
『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる方法  <連載第92回>

伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に精通する山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は「文章の整え方について。

文章がヘタな人は部屋が汚い!?

タイトルを見て、ドキッとした人もいるかもしれません。もちろん、実際の部屋の片付け具合と文章力には直接の関係はありませんので、ご安心ください。

しかし、文章における情報の整理整頓と文章力には、深い関係があります。文章とは、情報を「箱」に詰めて読み手に渡すようなもの。この箱が、整った“きれいな箱”なのか、ゴチャゴチャした“汚い箱”なのか——その違いが、「読みやすさ」の決定的な差になるのです。 

ぐちゃぐちゃな箱は百害あって一利なし

文章を読む人に渡す“箱”の中身がゴチャゴチャだったら、どうなるでしょう? たとえば、以下は読む人の感想です。

【ゴチャゴチャした“箱(文章)”は……】
・何が言いたいのかよくわからない
・大事な結論や理由が見えにくい
・余計な情報が多く、読むだけでストレスがかかる
・情報の論理的なつながりが見えない

文章における“汚い箱”とは、間仕切りのない箱に、モノを乱暴に投げ入れた状態です。読む人は「何がどこにあるのか」がわからず、読解に苦労を強いられてしまいます。強いストレスを感じる人もいるでしょう。

一方で、読みやすい“きれいな箱”は、箱の中が間仕切りされており、情報が整理整頓されています。たとえば、結論・理由・具体例・補足情報などが、それぞれ必要な場所にしっかり収まっている形です。どの情報がどう配置されているかが一目瞭然で、読者はスムーズに内容を理解できます。

“段落=間仕切り”が整った文章をつくろう

では、具体的にどうすれば“きれいな箱=間仕切りされた文章”を書くことができるのでしょう? 答えはシンプルです。段落ごとに役割を明確にすることです。以下は一例です。

【間仕切りされた“きれいな箱(文章)”の構成(例)】

第1段落:結論
第2段落:その理由
第3段落:具体例
第4段落:補足や反論への配慮
第5段落:まとめ(行動の提案)

このように、段落を“間仕切り”として使うことで、読みやすさと整理性が飛躍的に向上します。どれほど中身が優れた文章でも、間仕切りがなければ、読む人に雑然とした印象を与えかねません。

逆に、盛り込む情報が同じでも、箱の中に間仕切りをつくり、それぞれのスペースに然るべき情報を盛り込むことで、文章の読みやすさと理解度が高まります。

間仕切りされた“きれいな箱”がもたらす4つの効果

整理された文章には、実際にさまざまなメリットがあります。

メリット(1) 理解しやすい
→ パッと見て全体像がつかめ、読解に時間がかからない。

メリット(2) 納得しやすい
→ 情報の順序や配置に筋が通っているため、納得感や信頼感が高い。

メリット(3) 編集しやすい
→ 必要な部分だけを取り出したり、差し替えたりするのが簡単。

メリット(4) 読み手の時間を奪わず、ストレスを与えない】
→ ムダな負荷がかからず、読み手に好印象を残せる。

どんなに優れた情報も、“箱”に乱雑に詰め込まれた状態では、その価値は伝わりません。読みやすい文章に求められるのは構造の設計力です。段落で役割を分け、情報の配置を最適化することで、その文章の「読みやすさ」「理解しやすさ」「信頼性」などが一気に高まります。

文章力を鍛える第一歩は、間仕切りされた“きれいな箱”をつくることから始まります。あなたの書く文章も“箱”の整理整頓を意識してみませんか?


山口 拓朗(やまぐち たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『読解力は最強の知性である 1%の本質を一瞬でつかむ技術』(SBクリエイティブ)、『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術——「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか多数。

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