日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。
交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。
2025/08/12 11:40
芝公園と東京タワー
先週田園調布にある古墳群を紹介したが、実は都内最大の古墳は港区にある。港区芝、東京タワーの近くにある芝公園の隣にこんもりと繁った小山がある。この付近が5世紀前後(4世紀後半とも)に築造された芝丸山古墳群である。
「丸山」という名称は円墳を指すことが多いが、中心となる芝丸山古墳は前方後円墳である。全長100mを超す前方後円墳と十数基の小さな円墳群があったが、江戸時代には前方後円墳の後円部頂が崩されて広場になっており、戦後には円墳群も台地ごと削平してホテルが建設され、現在は芝丸山古墳しか残っていない。
都営大江戸線の芝公園駅で降りると、すぐ横から芝公園に入ることができる。ここは元は増上寺の境内だったが、明治になって公園になった。ここから東京タワーを見ながら公園を通り抜け、芝東照宮の裏手にある小山を目指して登っていくと、後円部の頂上に出る。
この前方後円墳は案内板では106m前後と記載されている。しかし実際には125mあるといい、多摩川台古墳群最大で全長107.5mある亀甲山古墳より大きく、都内最大であるという。日本の考古学の黎明期である明治31年に発掘され、埴輪や須恵器などが発見されている。
現在は眺望はよくないが、明治時代には東京湾が見渡せ、桜の名所として親しまれていたという。