人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、「本当?」と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

現在はNHK「日本人のおなまえっ!」解説レギュラーとして出演するほか、『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など著書多数。

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「鎌倉殿の13人」、「のえ」と伊賀一族

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2022/09/06 10:37

(画像はNHK公式サイトよりキャプチャ)

4日のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、北条義時の3人目の妻として菊地凛子演じる「のえ」が登場した。登場時には気立てのいい女性として描かれていたが、その後を見る限り、そうではなさそうだ。

この「のえ」、13人の一人二階堂行政が孫娘と言っていたことから、伊賀の方とみられる。伊賀の方は御家人伊賀朝光の娘。そして、伊賀朝光の妻は二階堂行政の娘なので、二階堂行政からみれば、娘の娘で孫娘となる。

伊賀氏とは藤原北家秀郷流の武家で、朝光が源頼朝の挙兵に従って御家人となり、伊賀守となったことから伊賀氏を名乗った。そして、伊賀の方が義時に嫁いで政村を生んだことから幕府内で大きな力を持つようになった。

以下ネタバレをいうと、伊賀の方は兄の伊賀光宗と図って、実子政村の執権就任と女婿一条実雅の将軍就任を謀るが、事前に察知した北条政子によって防がれ、伊賀の方は伊豆国北条、光宗は信濃国、実雅は越前国に配流されることになる(伊賀氏の変)。ただし、これらは義時没後のことで、「鎌倉殿の13人」でどこまで描かれるかはわからない。

なお、政村はこの事件には連座せず、のちに第7代執権に就任している。

 

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