人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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琴手計の「手計」の由来

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2019/07/09 12:09

(画像は佐渡ケ嶽部屋公式サイトよりキャプチャ)

7日に始まった大相撲名古屋場所で、幕下上位の琴手計という力士が話題になっている。埼玉栄高出身の19歳ながら、成績次第では関取となる十両に手が届くところまできており、初日に白星をあげて幸先のいいスタートをきった

この「ことてばかり」という難読のしこ名は、本名が手計富士紀(てばかり・としき)であることによる。「手計」という名字は珍しく、ルーツは埼玉県深谷市の「手計」という地名。琴手計は千葉県出身だが、「手計」という名字は今でも深谷市に集中している。地名の読み方は「てばか」で、現在は下手計と上手計にわかれている。

では、この不思議な地名の由来は何かというと、後三年の役で源義家が奥州に向かう際、この地で負傷を負った家臣の片腕を切り落として埋葬した場所が「手墓(てばか)」という地名になったのがルーツという。江戸時代頃には漢字が「手計」に変化していた。

ここに住んだ人が地名から「手計」を名字にしたものだが、「手計」で「てばか」というのは名字としてはちょっと違和感があるので、「てばかり」に変化したのだろう。

因みに、この手計村、渋沢栄一の出身地である血洗島村(これも物騒な地名だ)の隣村である。

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