人名・地名 おもしろ雑学

日本で一番多い名字は佐藤で、2番目が鈴木といわれています。しかし、本当?と思っている人も多いのではないでしょうか。東京の周辺に住んでいる人は違和感がないでしょうが、関西の人だと、一二を争うのは山本と田中だろう、と思っています。

交通が便利になって、東京からだと、離島や山中を除いてほとんどの所に日帰りできるようになりました。でも、日本は狭いようで、まだ地域差は残っています。そんな日本を名字や地名からみつめ直してみたいと思っています。

著者プロフィール

森岡 浩(もりおか・ひろし)

姓氏研究家・野球史研究家。1961年高知市生まれ。土佐高校を経て早稲田大学政治経済学部卒。学生時代から独学で姓氏研究を始め、文献だけにとらわれない実証的な研究を続けている。一方、高校野球を中心とした野球史研究家としても著名で、知られざる地方球史の発掘・紹介につとめているほか、全国各地の有料施設で用いられる入場券の“半券”コレクターとしても活動している。

著書は『名字の地図』『高校野球がまるごとわかる事典』(いずれも小社刊)、『名字の謎』(新潮社)、『日本名字家系大事典』(東京堂出版)など多数。

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名字の生まれた時代

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2019/03/04 17:37

(photo by mapo/fotolia)

2月28日放送のNHK「日本人のおなまえっ!」で、名字が生まれた時代を特集したが、街頭インタビューでは「庶民が名字を持ったのは明治時代」という声が多かった。確かに、私の年代では小学校でそう習ったが、今ではそういう考えは否定されている。その部分については番組では説明しなかったので、補足しておこう。

実は、小学校の教科書には、「武士以外は名字がなかった」ではなく、「武士以外は名字を名乗ることができなかった」と書かれていたはずだ。つまり、持っていたけど公式の場所では名乗ることができなかったにすぎず、持っていなかったわけではない。

実際、室町時代の農民の名字が書かれた史料が残されており、当時すでに多くの庶民が名字を持っていた可能性が高い。もちろん、すべての人が名字を持っていたわけではない。たとえば、僧侶は正式に名字を持っておらず、明治になって仏教用語などから新しい名字を作り出した人も多い。

また、すでに名字を持っていた人でも、戸籍登録にあたって新たに名字をつくった人もいる。明治維新の元勲木戸孝允は、桂小五郎という名前だったが、戸籍には「木戸」という名字を登録した。

とはいえ、現在使用している名字の大半は、江戸時代以前から使用されていたものである。だからこそ、ルーツをさぐることができるのだ。

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