金融システムの教科書

発売日 2010.09.17
著者 山本統一
判型 A5判/並製
ページ数 328
ISBN 978-4-534-04754-0
価格 ¥2,640(税込)

銀行、保険、証券、ノンバンクの各金融システムの特徴や構築ポイント、金融知識が網羅的にわかる1冊。SEに欠かせない「金融実務とシステム化を結びつけるスキル」が基礎から身につきます。新人SEは最初の一歩、中堅SEは全体の俯瞰として活用できます。

≪章立て≫
第1章 SEならば知っておくべき金融業界の基礎知識
第2章 金融業をとりまく法規制やルール、金融検査のしくみ
第3章 銀行の業務内容とシステム
第4章 保険会社の業務内容とシステム
第5章 証券会社の業務内容とシステム
第6章 ノンバンク(クレジットカード会社、信販会社、消費者金融)の業務内容とシステム
第7章 金融市場と資金証券システム、証券取引所、金融市場・機関間のネットワークのしくみ

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はじめに

第1章 SEならば知っておくべき金融業界の基礎知識

1-1 金融業界のSEになった人に最初に知ってほしい「金融」のこと 12

   金融は私たちの生活にかかせないインフラ

1-2 金融業界とシステムの関係 16

   金融業務のシステムは各業務の要件を定義して機械語に翻訳したもの

1-3 金融とITの親和性 20

   お金や金融商品とは、実は「情報」そのもの

1-4 間接金融、直接金融、市場型間接金融とは 23

   お金を融通する方法の違い

1-5 金融業の種類 30

   金融業はいくつかの業態に分けられる

1-6 金融業とネットワーク 31

   金融業のITはネットワーク化の進展とともに発達している

1-7 金融業界の規制緩和と体制の整備 35

   規制緩和される一方、利用者保護のための体制が整備された

1-8 電子取引の動向 42

   金融サービスの電子化は急速に進展している

1-9 ますます装置産業化する金融業 47

   サービス改善や法規制等に対応するために莫大なIT投資が必要

1-10 金融危機と新しい金融規制改革 51

   新しい規制改革など、今後の動向はSEにも無縁ではない

第2章 金融業をとりまく法規制やルール、金融検査のしくみ

2-1 金融業界の法規制 60

   金融法は「業法」と「金融取引に関連する法」に分けられる

2-2 金融機関の健全性確保のための規制 68

   経営の健全性を確保するために、種々の規制が設けられている

2-3 当局の規制 77

   金融庁は検査や監督を通じて金融機関をチェックする

2-4 金融機関が抱えるリスクとその管理 82

   金融機関はリスクを掌握し、適切に対応するよう努めている

第3章 銀行の業務内容とシステム

3-1 銀行の3つの基本的機能を知る 90

   おもな機能は、資金仲介機能、信用創造機能、資金決済機能の3種類

3-2 銀行の収益のしくみ 94

   銀行の収益の大部分は資金運用益

3-3 お金の“対価”としての金利のしくみ 97

   金利とは、元金に対して一定期間内に支払う利息の割合のこと

3-4 銀行が営める業務 104

   公共性が高い業種なので、銀行が取り扱える業務は規定されている

3-5 預金業務 105

   預金こそが銀行の競争力・信用力の源泉

3-6 貸出業務 107

   銀行の最大の収益源

3-7 為替業務 114

   為替業務は内国為替と外国為替に分けられる

3-8 その他の業務 127

   銀行が取り扱う業務は拡大している

3-9 銀行の収益管理 133

   高度化する銀行の経営管理手法

3-10 銀行のシステム 140

   大量のトランザクションを安定的に処理できるシステム

第4章 保険会社の業務内容とシステム

4-1 保険会社の原理と2大業務 146

   保険会社は相互扶助のしくみで成り立っている

4-2 押さえておくべき保険業界の最近のトピック 152

   保険システムにも影響を及ぼす法制度や出来事を知ろう

4-3 生命保険のしくみ 158

   生命保険は、人の生死などにかかわる費用に備える保険

4-4 生命保険のビジネスの構造変化 169

   少子高齢化で市場が頭打ち

4-5 生命保険のシステム 181

   最大の特徴は超長期の契約を管理しなければならないこと

4-6 損害保険のしくみ 185

   損害保険はモノにかかる費用に備える保険

4-7 損害保険のビジネスの構造変化 194

   保険料の自由化により、競争が激化して業界再編が進んだ

4-8 損害保険のシステム 205

   複雑化したシステム・業務を抜本的に改革することに注力

第5章 証券会社の業務内容とシステム

5-1 証券会社の4大業務を知る 212

   証券会社は直接金融で中心的な役割を担っている

5-2 証券決済のしくみと効率化に向けた取り組み 217

   売買のプロセスは複雑だが、効率化に向けインフラ整備が進んでいる

5-3 証券会社の業績の構造 226

   大手証券のリテールは「株式売買業」から「資産管理業」へ

5-4 証券業界の構造変化、最近の動向 234

   手数料の自由化と、登録制への移行が大きなインパクトとなった

5-5 証券会社のシステム 247

   ITの進展が証券取引自体を変化させている

第6章 ノンバンク(クレジットカード会社、信販会社、消費者金融)の業務内容とシステム

6-1 消費者信用のしくみと収益構造 254

   消費者信用は「販売信用」と「消費者金融」に分けられる

6-2 クレジットのしくみと収益構造 257

   クレジットの登場人物と役割を知ろう

6-3 消費者金融のしくみ 265

   利息返還請求による巨額の損失引当てが業績を圧迫している

6-4 法改正の影響 268

   消費者保護のために、貸金業法や割賦法などが改正された

6-5 消費者信用業界のシステムと最近の動向 274

   クレジットカードの利用増大を支える情報システム

第7章 金融市場と資金証券システム、証券取引所、金融市場・機関間のネットワークのしくみ

7-1 金融市場とは、さまざまな金融商品を取引する場 282

   金融市場は大きく3つに分けられる

7-2 デリバティブの種類 291

   代表的なデリバティブは「先物」「スワップ」「オプション」

7-3 デリバティブのしくみ1 先物 293

   将来のある時点での売買についてあらかじめ現時点で保証をする取引

7-4 デリバティブのしくみ2 スワップ 295

   スワップとは異なる金利や通貨を交換すること

7-5 デリバティブのしくみ3 オプション 299

   オプション取引とは選択権を売買すること

7-6 その他のデリバティブ、新しいデリバティブ 304

   ITの進展にともない、デリバティブは複雑化し、取引量も急増した

7-7 資産運用部門の業務と資金証券系システム 306

   市場系の業務には、フロント、ミドル、バックの各業務がある

7-8 証券取引所のしくみとシステム 308

   東証arrowheadの稼働で利便性は向上、取引スタイルは急激に変化しつつある

7-9 資金決済・証券決済のためのネットワークの全体像 314

   金融市場や金融機関間はネットワークで構成されている

「金融」をとりまく新しい潮流 320

おわりに

Column

邦銀の海外業務 138

私たちの銀行は通帳の数字を間違わない!? 142

著者プロフィール

山本統一

やまもと・とういち
1963年生まれ。株式会社ユニソンパートナーズ代表取締役。一橋大学社会学部卒業後、三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)に入行。営業店勤務、官庁出向を経て、インターネットバンキング、融資業務BPRなど、ITを活用した新規業務開発とマーケティングなどに携わる。また2000年?02年はNTTデータに出向し、同社北米技術センタ(在シリコンバレー)で米国金融ビジネス調査と有望なソリューションのビジネスデベロップメントに従事。2003年に銀行を退職し、「ビジネスとITの協調(ユニソン)」を標榜するユニソンパートナーズを設立。大手銀行リテール業務戦略構築、証券会社BPR、保険会社ダイレクトチャネル戦略構築、銀行向けTMS構築支援、J-SOX対応支援など金融機関およびITベンダー向けに多数のプロジェクトを手掛けている。

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