ゼロからのサイエンス よくわかる相対性理論
| 発売日 | 2009.06.17 |
|---|---|
| 著者 | 福江純 |
| 判型 | A5判/並製 |
| ページ数 | 176 |
| ISBN | 978-4-534-04571-3 |
| 価格 | ￥1,760(税込) |
人間がスリムにみえたり、時間が遅くなったり、光が曲がったりと相対性理論の世界は不思議なことだらけ。日常の常識では考えられない世界で起こる難解な相対性理論に基づく現象を、「相対論的不変量」をキーワードに理解する画期的な1冊！
≪章立て≫
第1章 相対性理論って何だろう？
第2章 たった2つしかない基本原理
第3章 時間と空間の統一でみえてくる不思議な世界
第4章 光とエネルギーをもとに世界を観察する
第5章 特殊相対性理論と物理学の関係をみよう
第6章 「特殊」と「一般」はどこが違うのか？
第7章 時空が曲がっているとどうなるのだろう？
第8章 曲がった時空の光を観察する
第9章 一般相対性理論と宇宙の関係
第10章 相対性理論と究極理論
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詳細
第1章 相対性理論って何だろう？
1 部屋の中のあなたは動いている？ 動いていない？ 10
相対性理論は何を考えるものなのか？
2 電車の中で落としたボールはどうみえる？ 12
ガリレオの相対性原理からわかるボールの軌跡
3 時間も空間も万人に共通か!? 14
ニュートンの絶対時間・絶対空間とは？
4 バケツが回転しているのか、宇宙が回転しているのか？ 16
相対性理論を理解するために欠かせないマッハ原理
5 だれが観測しても同じにみえるモノ 18
変換と不変量
column コンパスとヴァイオリン
第2章 たった2つしかない基本原理
1 光の速さは変わらない！ 22
基本原理の1つ「光速度不変の原理」
2 自然の法則は万人に平等 24
もう1つの基本原理・特殊相対性原理と慣性系
3 光からみた光の速度は光速？ 26
「光速－光速＝光速」の不思議
4 質量のない光のエネルギーとは？ 28
光子のエネルギーと運動量
column 丸暗記は大嫌い
第3章 時間と空間の統一でみえてくる不思議な世界
1 亜光速の宇宙船の時間は遅くなる!? 32
光時計で時間の遅れを考える
2 素粒子の寿命が延びて地上に降り注いでいる 34
時間の遅れの実験的検証
3 物体が縮むのか、空間自体が縮むのか？ 36
ローレンツ＝フィッツジェラルド短縮
4 粒子からも空間が縮んでみえる！ 38
ローレンツ＝フィッツジェラルド短縮の意味
5 時間と空間を1つの図に組み込む 40
ミンコフスキーダイアグラム
6 ミンコフスキー時空で世界を考える 42
光円錐と世界線
7 相対性理論の鍵はローレンツ変換だ！ 44
ミンコフスキー時空での座標変換
8 時空の座標変換で変わらないものとは？ 46
世界間隔と不変量
9 自分には同時でも他人には同時でない？ 48
同時刻の相対性
10 ウラシマ効果で歳を取らない？ 50
双子のパラドクス
column 無名時代と最初の結婚
第4章 光とエネルギーをもとに世界を観察する
1 光源が運動すると光の色が変わる 54
光のドップラー効果
2 ドップラー効果で天体のダイナミックな運動がわかる 56
横ドップラー効果の観測的な証拠 56
3 光源が運動しているとみえる方向が変化する？ 58
光行差にも相対論的な効果が表われる
4 相対性理論よりも古い光行差の発見 60
光行差の実証
5 亜光速で運動する物体は回転してみえる!? 62
不可思議な現象・テレル効果
6 質量とエネルギーは同じものなの？ 64
常識を覆したアインシュタインの式
7 なぜ太陽は輝き続けることができるのか？ 66
核分裂と核融合から発生するエネルギー
8 光の速さは超えられないのか？ 68
超光速粒子タキオンの謎
column 奇跡の年
第5章 特殊相対性理論と物理学の関係をみよう
1 速ければ速いほど重くなるのはホント？ 72
静止質量と運動エネルギーの関係
2 どんどん加速していくとどうなるの？ 74
相対論的力学
3 電場や磁場はどうなるのか？ 76
マクスウェル電磁気学
4 流れや音速はどうなるの？ 78
相対論的流体力学
5 ミクロな世界の振る舞いはどうなるの？ 80
相対論的量子力学
6 電子と陽電子の予言と発見 82
ディラックの海
7 エネルギーが質量に変わる 84
対消滅と対生成
8 高エネルギー粒子からの放射 86
シンクロトロン放射
9 超光速粒子からの青い光 88
チェレンコフ光
10 宇宙の開闢を垣間見る巨大加速器 90
BファクトリーとJパーク
column 科学界で有名になる
第6章 「特殊」と「一般」はどこが違うのか？
1 感じるものがすべて！ 94
基本原理の1つ「等価原理」
2 自然の法則は万物に平等 96
一般相対性原理と非慣性系
3 重力と加速力についてエレベータで考える 98
潮汐力と局所性
4 どうして「特殊」が先で「一般」が後？ 100
運動理論と重力理論
column 世界中で有名になる
第7章 時空が曲がっているとどうなるのだろう？
1 重力が強いと時間が遅くなる!? 104
重力場における時間の遅れ
2 ジェット族は少しだけ長生きする？ 106
時間の遅れの実験的証明
3 相対性理論がないとカーナビは役に立たない！ 108
時間の遅れの実用化
4 曲がった空間とは？ 110
非ユークリッド空間
5 レーダーで描く曲がった時空の“三角形” 112
シャピロ遅延の実験的検証
6 惑星の軌道は楕円ではなくなる！ 114
水星の近日点移動
7 強い重力場での近星点移動 116
連星パルサーの実験場
8 円運動も相対論的影響を受けている 118
回転速度
9 カー時空では時空さえ回転する 120
時空の引きずり効果
10 高速自転する水晶球で渦動時空を調べる 122
時空の引きずり効果の検証
column アインシュタインフィーバー
第8章 曲がった時空の光を観察する
1 重力場中からの光は赤く変化する 126
重力赤方偏移
2 地上でも重力赤方偏移を測定できる！ 128
メスバウアー効果
3 重力赤方偏移を利用してコンパクト天体を調べる 130
白色矮星と中性子星
4 光は真っ直ぐ進めない！？ 132
光線の湾曲
5 太陽のまわりでも光は曲がる！ 134
光線の曲がりの観測的証拠
6 太陽のまわりでは電波も曲がる！ 136
電波源を用いた実証
7 ブラックホール近くの光はどうなる？ 138
光子半径と時空の合わせ鏡
8 ブラックホールは大きくみえる！ 140
みかけの大きさ 140
column 神はサイコロを振らない
第9章 一般相対性理論と宇宙の関係
1 宇宙に浮かぶ蜃気楼 144
重力レンズ天体
2 重力レンズで天体の像が歪んでみえる 146
マクロ重力レンズ効果
3 重力レンズで天体の明るさが変化してみえる 148
マイクロ重力レンズ効果
4 重力レンズ望遠鏡で宇宙を眺める 150
系外惑星とダークマター
5 宇宙を伝わる時空のさざ波 152
重力波
6 重力波は間接的には検出されている 154
連星パルサー
7 ブラックホールが合体するとどうなる 156
重力波激震
8 宇宙は誕生以来ずっと膨張している！ 158
ビッグバン
9 宇宙開闢時には時空は超膨張した！ 160
インフレーション
10 いまふたたび宇宙膨張は加速している！ 162
宇宙の加速膨張
column 大統領への手紙
第10章 相対性理論と究極理論
1 はじまりはすべて光子だった 166
粒子と力の統一
2 質量と重力の起源とは？ 168
ヒッグス粒子
3 反物質が存在しないワケ
自発的対称性の破れ
4 アインシュタインが夢見たこと 172
統一場理論から万物理論へ
column 物質世界と人間世界の統一
著者プロフィール
福江純
1956年、山口県生まれ。78年、京都大学理学部宇宙物理学科卒業。83年、同大大学院（宇宙物理学専攻）を修了。大阪教育大学天文学研究室教授。理学博士。専門は、天文学、相対論的宇宙流体力学など。主な著書に、『アインシュタインの宿題』『やさしいアンドロイドの作り方』（大和書房）、『銀河にひそむモンスター』（岩波書店）、『降着円盤への招待』（講談社ブルーバックス）、『ゼロからのサイエンス よくわかる物理』『ゼロからのサイエンス カラー図解宇宙のしくみ』（以上、小社刊）など、多数。
