『文章を書く』ことの苦手を好きにかえる

「文章を書くことがストレスです」
「文章を書くことが苦手で……」
「文章を書くのに時間がかかります」

そんな「文章アレルギー」の人は多いのではないでしょうか? しかし、文章を書けるかどうかは、仕事の成果や周囲の評価に大きく関わります。

そんな文章に関する「困った」にやさしく応えてくれるのが、『そもそも文章ってどう書けばいいんですか?』を著書にもつ、山口拓朗さんです。

この連載では、これまでライターとして数多くの取材・インタビューを経験した中から導き出した、「書くことが嫌い」を「書くことが好き」へと変える、文章作成のコツを教えてもらいます。

著者プロフィール

山口拓朗(やまぐち・たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)、『ファンが増える!文章術——「らしさ」を発信して人生を動かす』(廣済堂出版)ほか多数。

SNSで人を惹きつける! 文章テクニック5選

このエントリーをはてなブックマークに追加

2025/12/04 10:52

伝える力【話す・書く】研究所を主宰し、「文章の書き方」に精通する山口拓朗さんに書き方のコツを教わります。今回は「読む人を引きこむ視点」について。

せっかく書いても読んでもらえない…

「一生懸命書いてSNS投稿したのに、読んでもらえない」「いいねや反応がほとんどない」……あなたも、そんな悩みを抱えているのではないでしょうか。

SNSの文章に反応してもらいたいなら、「ただ好き勝手に書く」だけでなく、読む人を引きこむ視点と工夫が欠かせません。

本稿では、誰でもすぐに実践できる、人を惹きつける文章テクニックを5つご紹介します。読む人の気持ちを惹きつけたい方は、積極的に取り入れてみてください。

SNSで読まれるための書き方とは

【1】読者の「悩み」や「欲求」に寄り添う

人は書かれている内容を「自分事」と感じれば、興味・関心を示します。書き出しで読者の悩みや関心ごとを提示することで、「自分に関係がある」と感じさせ、続きを読んでもらいやすくなります。

〈例〉
「毎日、やる気が出ない」「仕事のモチベーションを維持することができない」。あなたは、そんな悩みを抱えていませんか?

とくに重要なのが「書き出し」です。読者の「内なる声」を代弁することによって共感が生まれ、「続きを読もう」という気持ちが芽生えやすくなります。

【2】具体的なエピソードを交える

抽象的な話ばかり書かれていても、読み手の理解が深まりません。体験談や事例、たとえ話などを使うことで、読者が頭の中で場面や内容をイメージしやすくなります。

〈例〉
私も最初は1日1行程度しか日記を書くことができませんでした。しかし、少しずつ慣れていき、2週間後には、自然と300文字以上書けるようになっていたのです。

具体性は「リアリティ」と「信頼感」を生み、文章に奥行きと広がりを与えます。なお、このときに数字と固有名詞を使うと、具体性がより高まります。

【3】「問いかけ」で思考を促す

文章の中に問いかけを挟むと、読者は「自分だったらどうするか?」「この書き手はどんな答えを示すのだろう?」と考えながら読み進めます。このアプローチは、読者の集中力を保つうえでも有効です。

〈例〉
あなたは、営業トークをする際、一方的に自分が話したい話をしていませんか?

読者への問いかけは、読者の意識を「読む」から「自分の頭で考える」へと変化させる力があります。

【4】視覚的に読みやすい工夫をする

人は文章の「見た目」の印象で、読むか読まないかを判断することがあります。どんなに内容がよくても、見た目がごちゃごちゃして整っていない文章は、途中で離脱されてしまう恐れがあります。

以下は、読みやすい文章にするための工夫の一例です。

〈例〉
◎ 一文は短く。句点(。)を多めに
 →→→ ダラダラ長く書かず、テンポよく区切る
◎ 早めに改行する。横に文章を伸ばさない
 →→→ 視線のストレスを減らすために、改行はこまめに
◎ 空白行を入れて、意味の区切りを明確に
 →→→ 段落ごとの意図が伝わりやすくなる
◎ 箇条書きを活用する(適宜)
 →→→ 情報整理&視認性アップに効果的
◎ 漢字とひらがなのバランスは「3:7」が理想
 →→→ 漢字だらけの文章は読みにくくなるので注意
◎ 難しい言葉は、やさしい言葉に言い換える
 →→→ 誰にでも伝わる「開かれた文章」を目指す

「読みやすさ」は読者への思いやり。技術というよりマナー、気遣いの領域です。

【5】「読後感」を設計する

文章の「結び」次第で、読者の印象は大きく変わります。結論で終わらせるだけでなく、「読後にどんな気持ちや行動を促したいか」を意識してみましょう。

〈例〉
「あなたも、今日から“一日一善”を積み重ねてみませんか?」
「あなたが勇気を出して言語化した瞬間から、心のつかえが取れ、気持ちがスッキリするはずです」

文章のラストを「呼びかけ」や「前向きなひと言」「明るい展望」などで結ぶことで、読者の心に余韻が残ります。それによって「また次も読みたい」「誰かに伝えたい」「シェアしたい」という行動につながりやすくなります。

読む人の気持ちを惹きつける文章を書きたいなら、「読む人の気持ちに寄り添う視点と工夫」が欠かせません。今回お伝えした5つの文章テクニックを駆使することで、あなたの文章の反応率は大幅にアップするでしょう。


山口 拓朗(やまぐち たくろう)

伝える力【話す・書く】研究所所長。山口拓朗ライティングサロン主宰。出版社で編集者・記者を務めたのち、2002年に独立。26年間で3600件以上の取材・執筆歴を誇る。現在は執筆活動に加え、講演や研修を通じて、「1を聞いて10を知る理解力の育て方」「好意と信頼を獲得する伝え方の技術」「伝わる文章の書き方」などの実践的ノウハウを提供。著書に『正しい答えを導く質問力』(かんき出版)、『読解力は最強の知性である 1%の本質を一瞬でつかむ技術』(SBクリエイティブ)、『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)、『マネするだけで「文章がうまい」と思われる言葉を1冊にまとめてみた。』(すばる舎)、『1%の本質を最速でつかむ「理解力」』『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』『何を書けばいいかわからない人のための「うまく」「はやく」書ける文章術』(以上、日本実業出版社)、『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』(明日香出版社)ほか多数。

このエントリーをはてなブックマークに追加

9割捨てて10倍伝わる「要約力」

リモートワーク時代にも必須の最短・最速で確実に伝わる「要約力」を身につけると、仕事の成果が劇的に変わる!  もう「あなたの話はよくわからない」「あなたのメールは長くて読んでいない」と言われない! 

著者:山口拓朗

価格:¥1,400-(税別)

オンラインストアで購入する

テキスト採用など、大量・一括購入に関するご質問・ご注文は、
弊社営業部(TEL:03-3268-5161)までお問い合わせください。

ページのトップへ