英語の文書を書くスキルを上達させるためにはどうすればいいと思いますか?

グローバル化著しい昨今、ビジネスパーソンは、今後ますます、仕事において英語を使う必要に迫られることとなります。メールやプレゼン資料、報告書を英語で書く場面もあるでしょう。しかし、相手に伝わる英語の文章を書くために、単語の意味や英文の構文を勉強し直すことは大変です。

そこで今回、『英文“秒速”ライティング』(平田周:著)より、だれもが一度は習ったことのある中学英語の知識のみで、ミスのない文章を書く方法を紹介します。

 

英文の作成が難しければ、翻訳サービスを使えばいい

日本人は英語の文章を書くことが苦手です。

ネイティブレベルの英語の文章を書こうと考えると、頭を抱えてしまいます。そんな私達を助けてくれるのが、驚くべき速さで簡単に日本語を英語の文章に変換する自動翻訳サービス(Yahoo!翻訳など)です。しかし実際は誤訳がひどく、相手にきちんと伝える文章としては実用的ではありません。

もともと日本語と英語では文の構造がまったく違います。コンピュータはこの違いを理解できずに直訳するため、誤訳(不自然な訳)をしてしまうのです。
そこで平田氏は、これを逆手にとり、英語のような構造をした日本語、「中間日本語(英語っぽい日本語)」を使うことを提唱しています。

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「中間日本語」とは、日本語を英語の構造(基本5文型)に沿った形に変え、主語や目的語を明確にすることで、日本語と英語の構造の違いをなくしたものです。このやり方なら、日本語を書き換えるだけなので、要領を覚えさえすれば、誰でも中間日本語を作ることができます。

もちろん、英語的な構造をした日本語の文章を書くため、ある程度の知識は必要ですが、中学英語程度の力があれば十分だとか。

(21ページより)

 この中間日本語の書き方を覚えさえすれば、自動翻訳ソフトの誤訳の心配を限りなく払拭し、“秒速”で英語の文章を書くことができるのです。

1. 文章を短くする

日本語は、主語を省略しやすく、動詞を文の最後に置きます。

そのため、主語と動詞の間に「ですが」「あり」「なので」といった言葉が入り、一文が長くなりがちです。しかし、長い文章は、翻訳にとってはとても厄介なもので、誤訳の原因となります。
日本語の文でも、途中で主語が変わったり、主題が変わるなど、なにを言いたいのか伝わりにくい悪文は、ほとんどが長文ですよね。

(35ページより)

まず、長く続く文章を短文に書き換える。
それが中間日本語を書くうえで、押さえておきたい基本です。

2. 主語をはっきりさせる

英語は、主語がなくては始まらない言語です。

「何が主語か」をはっきりさせ、「私は」「あなたは」という主語を補うことで、意味の通じる英文に訳されます。もし、日本語に主語が見当たらなければ、翻訳プログラムは、勝手に主語を「I」や「it」としてしまいます。

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ただし、日本語の文章で省略されている「私」をそのまま使い、主語に「I」が続くと、幼稚な文章に見られてしまいます。そのため、無生物を主語にするなどの工夫が必要です。
人を主語とする日本語を、無生物を主語にする文に書き換えてみるだけで、急に英語らしい文に変わります。

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