みなさんは最近、本を読みましたか?

「読書は大事」とよく言われますが、なぜ本を読まなければならないのか、はっきりと理解している人は少ないのではないでしょうか。
弊社より刊行した『本を読む人だけが手にするもの』(藤原和博:著)では、教育の世界、ビジネスの世界の両面で活躍する著者が、様々な角度から「なぜ本を読むといいのか」ということを読者に問いかけています。

そして今回、「読書」をキーワードに、様々な分野でご活躍中のビジネスパーソン、3名の方にお集まりいただき座談会を開きました。みなさんもご一緒に「読書」について考えてみませんか。(文責:日本実業出版社)

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川西さん(25)

繊維メーカー勤務。
休日は神田・神保町にて朝活会「ええやん!朝活!」で、読書会・ビブリオバトル等のイベントを主催。


鎌田さん(27)

岐阜にて、菓子の製造・販売を行なう、ご実家の和菓子屋に勤務。
将来の事業継承に向け、現在は明治大学グローバル・ビジネス研究科(MBA)にてマーケティングを学ぶ。

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菅原さん(30)

マーケティング会社勤務。社内では「読書部部長」。
休日は読書会「読書チャンプル」を主催。

 

あなたは、本を月に何冊読んでいますか?

日本実業出版社(以下、日実):みなさんは休日も読書会を開かれるなど、読書好きとお聞きしたのですが、ひと月にどのくらい本を読まれるのですか?

鎌田:私はそんなに量は読んでいないのですが、月に5~6冊ほどですね。読めるときは……ですが。大学院に通い始めたので、勉強のために読むことが増えました。今は専攻に関連したマーケティングの本を読むことが多いのですが、本当はその人の生き方を知ることができる、エッセイが好きです。

川西:僕は「読んでいる」かと言われると、それほどでもないです(汗)。1週間に1冊、読めばいい方かなって感じです。

日実:それは毎日、少しずつ読まれるのですか? それとも時間をつくって一気にですか?

川西:基本的に2冊を並行して、少しずつ読み進めます。通勤用の本と、家で読む用の本の2冊です。通勤中はビジネス書、家では小説と決めています。逆にしてしまうと、会社で小説の続きが気になってしかたがないとか、夜、寝る前に仕事をするモードになってしまうので(笑)。

菅原:それはよくわかります(笑)。僕は前は電車通勤中に読書をしていたのですが、今は徒歩通勤に変わったので、定期的に読む時間がなくなり、休みの日にまとめて時間をとって、1日最低1冊は読むようにしています。だから月に4冊、5冊ぐらいですね。
月に5冊読んだとしたら、4冊はビジネス書や実用書で、1冊は小説です。
けれども、ビジネス書をずっと読んでいると、小説が読みたくなるときがあるので、川西さんのように、常に両方とも鞄に入れているようにしています。

読書を習慣化するコツ

日実:お聞きしているとみなさんは、コンスタントに本を読まれているようですね。
本を読むことが億劫になったり、気づいたら本から遠ざかっていた、っていうことはないですか? そんなときはどのようにして、読書欲を復活させますか?

川西:そうですね……、まず僕の場合は、もともと本を読んでいなかったので、このままではいけないなと思い、朝活で読書会を始めました。読書の習慣づけのために月に2回朝活をすれば、月に2冊は読むだろうと思って。今の読書量も、朝活のために新しい本を読まないと、他の参加者に怒られるからというのが本音です。「また、その本かよ!」と言われちゃうので(笑)。

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みなさん、各々の本の読み方に興味津々です。

日実:それなら、半強制的に習慣化はされますね。それでも、「もう本を読むのは嫌だ!」と、なる日はありませんか? 

川西:それが、意外とないんですよね。
僕は自分のためだけではなく、人に紹介する前提で読むという本の読み方もしているからかもしれません。人に紹介するためのネタ的に面白い本と、自分のための知識の本として、分けて読むことでメリハリが生まれているのだと思います。

鎌田:私は本を読む際、記録として残すために、ブクログ(※新しい本に出会えるブックレビューサイト。他の読者の本の感想や評価をチェック、またweb上に自分の本棚を作成することで、読んだ本の記録を残すができる)を使っています。
そこに、本の内容や自分の感想をアウトプットし、後日、見直す。また、他の本を読んでいる際に過去の情報や感想をリンクさせたりもします。
目に見える形で、読んだ本の記録を貯めていくことで、次の読書へとリンクしていきます。また単純に、読んだ本の冊数が貯まっていく達成感や、満足感が次の読書への活力となります。

日実:蓄積が目に見えると嬉しいですよね。私が小学生のときに、図書館の取り組みとして、1年間の貸出リストをレシートのような形でもらえたのですが、その長さを伸ばしたくて、図書館に通ってたなんて思い出があります。

菅原:子どものやる気をうまくアップさせる、上手な仕組みですね(笑)。

読書を続けるためのコツの1つは、いったん本から離れてみること。

僕も、川西さんのように読書会を主催しているので、新しい本を読まなくてはというのも、もちろんあります。また、本の数を目的として取り組んだこともあって、「年間150冊読むぞ!」みたいな目標を立てていたときもあります。
……でも、どうにもこうにも読みたくない時期ってくるんですよ。
それを「読書スランプ」って呼んでいるんですけど。 

読書スランプが来たときの解決方法は、僕の中では2つあって、1つは本を持ち歩くことをやめて、飲み会やカラオケなど別のことをして、「読書をしたい!」という気持ちが、わいてくるのを待つようにすることです。そうして、読書に対する欲求がでてきてからの、本を読むときのドキドキや感動は、とても新鮮なんです。

ただ、それっていつになるかわからなくって……、そうも言っていられない時もあるんですよね。そのときは第2の手段で、本屋さんに行く。そして、自分が読みたいと思える本と出会う。それが一番、自分の本を読みたいと思うモチベーションを上げる方法かもしれませんね。

日実:スポーツの試合を見ると、そのスポーツをしたくなってしまうのと一緒ですね。