大人になると面倒なことは多々ありますが、そのなかでも一際面倒なのが「謝罪」。学生時代のアルバイトなら「すみません! ごめんなさい! 次から気を付けます」と謝り倒してなんとか済んだようなことでも、社員になれば話は別。

「お辞儀の角度が浅い・頭を下げる時間が短い」みたいな正直どうでもいい指摘に始まり、別室に連行されてからの「何が起きた」「なんでこれやった」「こうなることが考え付かなかったのか」という説教(というより尋問)タイム。それが終わったら「じゃ、お前始末書書いて30分後にもってこい」と言われ……

……と、ここまで追い詰められることは珍しいにせよ、社会人の謝罪はとかく「面倒なこと」が多いものです。

そこで、とかく手間のかかりがちな「お詫び文書」作成の基本をご紹介します。

What’s お詫び文書

さて、一口に「お詫び文書」と言っても実は種類がいくつかあります。具体的には、下記のようなものがあります。

始末書

懲戒的な色合いが強く、強い反省が求められたときに書く文書です。「何をした」「何故そうした」「それをやったらどうなった」といった事象・経緯の説明にはじまり、「どのくらい反省しているのか」「今後どうするのか」といった反省と再発防止までを含めた文書です。

始末書では後ろの2つ、反省と「二度とこのようなことをやりません」という決意表明の部分がとりわけ強く求められます。また、本記事で紹介する文書すべてに言えることですが、社内の上司に提出する場合と、不利益を被った相手先に提出するものでは書き方も異なってきます。

理由書

上記の始末書と共通する部分が多い文書ですが、少しだけ違う部分があります。

それは懲戒の色合いが薄いこと。始末書は上記のとおり懲戒の要素が強いため、「どのくらい反省しているのか」「今後どうするのか」に重点が置かれますが、理由書では「何をした」「何故そうなった」という点が重視されます。

とはいえ、反省を求められたときに出す文書なので、それらに関する記述も当然必要になります。

顛末書

事の顛末を明らかにするもので、原因から結果に至るまでの一部始終を詳細に書いたものです。

これだけでは「理由書や報告書と何が違うの?」と思う方もいることでしょう。この顛末書は、反省を求めるというよりは「事故や過失の詳細な経緯を共有することで、よりよい解決方法の考案や、今後の改善資料にする」という意味合いが強い文書です。

そのため、理由書よりもさらに反省の色合いが薄く、報告書よりも詳細な状況を記載することが求められます。