『新版 他人に聞けない文書の書き方』 P.61より

 

上記のサンプル中にあるポイントを解決すると、それぞれ以下のようになります。

(1)顛末書は複雑な内容の説明に用いるため「何に関する顛末を記載したのか」を見出しに書く。
(2)「何が起きたのか」を客観的に記述し、経緯はその下の「記」以降で箇条書きを使って書く。

この「記」で書かれている経緯のうち上から3つは客観的な事実を記載していますが、最後となる4番目で事故発生の原因をまとめて書いています。そのなかで下線部Aの箇所では、「応急処理にすぎなかったとの疑いがある」と、推測を交えた書き方になっています。

顛末書を書く時点で原因が明らかでない場合は、このように推測であるとはっきり区別するかたちで記載します。明らかになっている場合は、「応急処理であり、」とすればよいでしょう。ただし、その場合は「なぜ、応急処理としながらそのまま何日も放置していたのか」を説明する必要がでてくるでしょう。

最後の(3)の段落は、関連事項として事後の見通しや処置について付記したものです。こうした記載は、この文書を受け取る上司や相手先が今後の処理を考えるための参考とできるので、非常に役立つものです。


以上のように、お詫びの文書はそれぞれ一定の書式があります。しかし、「何についてお詫びをするのか」がケースによって違うので、「テンプレートやサンプルの一部を差し替えれば済む」といったものでもありません。

こうした文書を作らなくて済むのに越したことはありませんが、もし作成する必要に追われたときは、ぜひ本記事を参考にしてみてください。